嗚呼、愛しのお姫様
□二話「お姫様の胃袋」
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練習が終わりに近づいてきたときのお話です。
「黒子っちー遊びに来たッスよ!」
黄色い髪の毛が体育館にいました。
しかも何だか大きめのお土産付きで……
「黄瀬君、わざわざお疲れ様です」
「こんくらい苦じゃないッスよー、……って、ん?」
「……どちら様?」
美乃さんがコテンと可愛らしく首を傾げる。
ダメです美乃さん。黄瀬君に興味を持ったら……。
「あ、俺、黄瀬涼太ッス。えっと……君は?」
「御桜美乃……」
「よろしくッス!」
挨拶も程々に、黄瀬君は僕に紙袋を渡しました。
「これ部員の皆さんでどーぞ!火神っちいるからちょっと多めに買ってきたッス」
「……中には何が?」
火神君、ということは食品なんでしょうか。
そう思って聞いてみると、黄瀬君は頷いてこう言った。
「駅前で売っているシュークリームッス!」
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