嗚呼、愛しのお姫様
□四話「誠凛の母」
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部活前、体育館で作業をしていると、急に肩をトントンと叩かれた。
「はい………あ、」
「………」
水戸部先輩だった。
「水戸部、先輩……お疲れ様です………」
水戸部先輩はいつも通り穏やかな笑みを浮かべながら、私の持っていた荷物をひょいと奪う。
「あ、大丈夫、ですよ………」
荷物を返してもらおうとするけど、先輩は優しく首を振るだけ。
えっと………心配してもらったのかな………
「ありがとう、ございます……………」
うんうんと満足そうに頷く先輩。
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