嗚呼、愛しのお姫様
□一話「影を見つける」
3ページ/3ページ
「美乃ちゃん、得点板の用意お願いね」
「はい」
みんなでバスケの練習です。
今日はみんなで3on3をします。
こういう試合では、みんなテツヤくんの動きに翻弄されちゃいます。
みんな、突然現れたテツヤくんにびっくりしたり、パスをとられたり。
そのたびに嬉しくなって、ついつい「やったー」と言っちゃったこともしばしば。
でも、私は見れちゃいます。
テツヤくんがコート上のどこにいようと、わかっちゃいます。
「僕を見失わない人は美乃さんが初めてです」と2年前くらいに言われたこともあります。
本人公認の目です。えっへん。
「じゃあ、始めるわよー!!」
ピーッとリコ先輩の笛が勇ましい音を出す。
「おっとっと」
一瞬自分の業務を忘れかけた。
さて、今日もサポートです。
END