嗚呼、愛しのお姫様
□一話「影を見つける」
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「美乃ちゃ〜〜〜〜ん!!!!」
「わぷっ………リコ、先輩………?…」
私の名前は、御桜美乃。
こんな風に自分の名前からズバッと入ると、いっそ清々しいものですね。
「苦しい…です…」
「ああ、ごめんごめん」
私を抱きしめているこの美人さんは、相田リコ先輩。
私がマネージャーを務めているバスケットボール部の"カントク"さん、です。
「何か、ご用でしょうか…」
「ううん、見かけたから一緒に部活行こうと思って」
ニコニコととても可愛らしい笑顔で私の手をとるリコ先輩。
私は小さく頷いた。
すると、先輩はいきなり手を離して口元を押さえちゃいました。
「美乃ちゃん見てると妹が欲しくなってくるわね………」
「え……?」
「いいえ、何でもないわ。行きましょう!!」
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