妖精の友

□妖精
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依頼者の娘、サクラさんを森の中で見つけたあたし達。
あたし達を警戒して逃げられ続けて、ようやく追いついた。
こっちの事情と、あたし達の考えを話そうとしたんだけど、上手くいかなかった。
無理やり連れ戻されることを心配しているサクラさんに、もう一度話そうと思った瞬間、彼女の足下から青い光が溢れ出した。

「あの光…魔力を感じるわ!!」

「クルじいの情報は正しかったのね」

森に入る前、あたしはクルじいから彼女が魔導士であることを知らされていた。
あたしと似ている、召喚系の魔導士。
ただし、彼女が呼び出すのは星霊ではなく…

「あれが…」

「妖精…なの…?」

「キレイ…」

そう、妖精を召喚する魔法。
ただし、本人にはまだ自覚がないらしい。

「ルーシィさん、なんか私達睨まれているような…」

ウェンディの言葉にサクラさんの方に向き直ると、確かにあたし達の方を見ていた。
敵意を向けた視線と言うよりも、何だか…強い決意を向けてるように感じた。

「…来るよ!!」

「アクア・トルネード!!」

サクラさんの声と共に、水の渦巻きが私達の方に向かってくる!!

「ルーシィさん、よけましょう!!バーニア!!」

ウェンディの魔法で体が軽くなり、私は横へ飛んで水を回避することができた。

「ありがとう、ウェンディ!!」

「いえ、それよりもサクラさんは!?」

「あっちへ逃げるわよ!!」

シャルルがいち早く見つけ、位置を知らせてくれた。
その方向を見ると、サクラさんと青い妖精が背を向けて逃げていく。
戦うつもりじゃないようだ。
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