問題児と自由な人

□ギフトゲーム
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「さて。皆さんの召喚を依頼した
黒ウサギには、
箱庭の世界における全ての質問に
答える義務がございます。

が、それら全てを語るには少々
お時間がかかるでしょう。

新たな同士候補である皆さんを
何時までも野外に出しておくのは忍びない。

ここから先は我らの
コミュニティでお話させて
いただきたいのですが…………

よろしいです?」


「待てよ。
まだ俺が質問してないだろ」


静聴していた十六夜が威圧的な
声を上げて立つ。

ずっと刻まれていた軽薄な笑顔が
無くなっていることに気づいた黒ウサギは、
構えるように聞き返した。


「……どういった質問です?

ルールですか?
ゲームそのものですか?」



「そんなのは
・・・・・・
どうでもいい。


腹の底からどうでもいいぜ、
黒ウサギ。


ここでオマエに向かって
ルールを問いただいしたところで
何かが変わるわけじゃねえんだ。


世界のルールを変えようとするのは
革命家の仕事であって、
プレイヤーの仕事じゃねえ。


俺が聞きたいのは……………


たった一つ、


手紙に書いてあったはずだ」




十六夜は視線を黒ウサギから外し


他の三人を見まわし、

巨大な天幕によって覆われた都市に向ける。



彼は何もかも見下すような視線で一言、



「この世界は………………………
・・・・
面白いか?」












他の三人も無言で返事を待つ。





彼らを呼んだ手紙にはこう書かれていた










《家族を、友人を、財産を、

世界の全てを捨てて箱庭に来い》

と。

それに見合うだけの催し物が

あるのかどうかこそ、

四人にとって一番重要な事だった。
























「Yes!『ギフトゲーム』は

人を超えた者たちだけが参加できる
神魔の遊戯。

箱庭は外界より格段に面白いと、

黒ウサギは保証いたします♪」
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