問題児と自由な人

□Yes!黒ウサギが呼びました!
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心からケラケラと笑う逆廻十六夜

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥

我関せず無関心を装う春日部耀

自由に散歩しようとする春日部浪哉

そんな彼らを物陰から見ていた
黒ウサギは思う

(うわぁ………なんか
問題児ばっかりみたいですねえ…

若干一名、
自由な一般人に見えますけど…)


十六夜は苛立ちげに言う


「で、呼び出されたのはいいけど
なんで誰もいねえんだよ。
この状況だと、招待状に
書かれていた箱庭
というものの説明をする人間が
現れるもんじゃねえか?」


「そうね。
何の説明もないままでは
動きようがないもの」


「……。この状況に対して
落ち着き過ぎているのも
どうかと思うけど………


兄さんフラフラしてないで」


耀によって浪哉は
連れ戻された


(全くです。それにしても
そこの人フラフラし過ぎです)


黒ウサギはこっそりツッコミを
入れた

もっとパニックになってくれれば
飛び出しやすいのだが

場が落ち着き過ぎているので
出るタイミングを計れないのだ



(まあ、悩んでいても
仕方ないデス。
これ以上不満を噴出する前に
お腹を括りますか)


「仕方ねえな。
こうなったら、
・・・・・・・・・・・・
そこに隠れている奴にでも

話を聞くか?」


物陰に隠れていた
黒ウサギは心臓を掴まれたように
飛び跳ねた

「なんだ、貴方も気づいていたの?」


「当然。かくれんぼじゃ
負けなしだぜ?

そっちの猫を抱いている奴も
気づいていたんだろ?

肩に猫を乗っけてる奴は
どうだかわからねえがな」


「風上に立たれたら嫌でもわかる」


「自由の本能が
散歩したいと言っている
耀離してくれ
(彼処に居るのは…ウサギ?
それとも人間か?)」


「…ダメ…………
兄さんは一般人だから
わかってないと思う。」


「そうか……にしても

面白いなお前」


軽薄そうに笑う
十六夜の目は笑っていない


三人は殺気の籠った視線を
黒ウサギに向ける

黒ウサギはやや怯んだ。
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