短夢
□高杉晋助/甘々
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名無しさんの彼、高杉晋助はいつもメールが事務的で、内容も素っ気ない一言メールが多い。(はい、いいえ等)
そんな彼のとある日のことである。
「あ」
ここは大江戸スーパー。そこでは多くの主婦が今晩のおかずを何にしようか悩んでいる。
私は主婦ではないが、悩む内の一人だ。
名無しさんの視線の先には、『ヤクルト 30%OFF!」と書かれた大きなチラシ。
(高杉、確かヤクルト好きだっけ?)
曖昧な記憶。
名無しさんは何を思ったかおもむろに懐から携帯を取り出した。
内容はこうである。
『ヤクルト安かったので買っておきますね』
「送信っと」
すると意外にも返信は数分で返ってきた。
『ヤクルトー』
と。
いつも素っ気ないばかりに、この『ー』は不覚にも萌えてしまった。