短夢


□土方十四郎/甘々
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「まだかなあ……」

今日は、ずっと会えなかった彼氏、十四郎に会う日。

私は駅のホームでウズウズと落ち着きのない様子で待っていた。

さっきから何回も時計を見てるのに、時間は一向に進まない。

まるで、止まっているようだ。

「早く……会いたいな」

そう言った時だ。

ゴォォオオオオ……

大きな音をたてながら、電車が目の前で止まった。

「!!」

開いたら扉から出てきたのは。

「十四郎!!」

十四郎だった。

嬉しくて嬉しくて泣くかと思ってしまう。

「よお……」

と、すました様子の十四郎。

大丈夫、私には分かる。照れ隠しだもんね。十四郎は冷静なクール彼氏だから、はしゃいだりしないの。

「……な、なあ……」

「ん?」

十四郎は落ち着かない様子で私を見つめる。

すると。

ぎゅう

強く抱き締められた。

そして。

「うひょひょ〜!」

十四郎はそう言いながらおしり芝居をした。

「なんだ、スゴく嬉しかったんじゃん」

「るせー……。

……そうだよ、すっげえ嬉しいよばーか」

ああもう、好きだなあ。

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