短夢
□坂田銀時/甘々
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「あははっ」
自室に自分の笑い声が反響する。
今、私は俺様系ドS彼氏とリア充をしているのです。
電話越しから聞こえる彼氏、銀時の声に癒されている私。
が、そろそろその会話も終わりを迎える。
『あ、俺そろそろ寝るな』
時計を見ると、短針は十二時を指していた。
まるでそれはシンデレラのよう。今なら彼女の気持ちが分かる。
「……うん。わかった。お休み」
『ああ、お休み。
……名無しさん、愛してる』
いつもなら絶対に言わないその言葉。
私はちょっと意地悪して、
「うん、」
と、だけ返してみた。
すると電話越しからでも分かるほどの照れた声で銀時は叫んだ。
『うんじゃねーだろ、お前も愛してるって言えよばか!』
プツッ……ツー……ツー……。
そうして切れてしまった携帯。
私は携帯に向かって呟いた。
「私もだよ、ばーか……」
顔が熱くて死んでしまいそうだ。