短夢


□土方十四郎/悲恋
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「土方さん!! 止めてください!!」

真選組屯所、名無しさんの自室に大きな怒号が響き渡った。それはそうだ。土方が名無しさんを押し倒しているのだから。屯所の皆はもう寝静まっている真夜中。そんな中、土方は彼女の部屋に押し掛け、彼女を無理矢理押し倒したのだ。

「土方さん!! どうしたんですか!?」
「……ツバ…み、ツバ……」
「えっ?」

ポタリと 名無しさん の頬に冷たい雫が静かに落ちた。恐る恐る土方の顔を見れば、彼の瞳は光が無く、真っ黒で虚ろな瞳をしている。その瞳からは大量の涙が溢れていた。

「ひ……じ、か……」
「ミツバ……悪かった……ミツバ…ミツバ……」
「ふざけないでください!私はミツバさんじゃありません!しっかりしてください!」
「みつ……ば……。ミ……ツば……」
「ひじかっ……ひっ……!?」

着物の間から土方の冷たい手が侵入し、 名無しさん の体をゆっくりと触り始めた。恐怖から 名無しさん は顔を引きつらせ、ひくりと喉を鳴らした。目の前の男は、私を見ていない。

「ひっ……じかたさっ……。しっかり、して……」
「みつば……ごめんな……ミツ バ……」
「止めて……っ!!止めて、くだ……っ!!んっ……!?」

土方の指が名無しさんの胸の頂を掠め、ピクリと彼女の体が小さく跳ねた。それを合図にしたかのように土方からの愛撫が激しくなっていく。名無しさんはシーツを力強く握り締め、眉を潜めた。

「ひっ……あっ、ゃ、ぁぁッ……」
「ミツバ……?? 感じてんのか…??」
「ミツバさんじゃ、ないッ…んぅっ……」
「すんげぇ気持ちよくしてやっから……ミツバ」
「ひぅぅぅ……」

ボロボロと名無しさんの瞳から涙が溢れた。それを見た土方は我に返る……こともなく、それを快感からの涙だと錯覚したようだ。

「そうか……そんなに気持ちいいのか??ミツバ……」
「やだ……ァ止めて、ください……土方、さっ」
「ひじかたさん……か。十四郎さんって…… 呼んでくれねぇのか??」
「だからっ……ちが……アぁっ!!」

突然、土方の舌が名無しさんの胸を這った。舌が頂に触れ、名無しさんは甘ったるく、甲高い声を上げた。クニクニと舌で刺激を与え始める土方。その瞳はまだ暗いままだ。舌が触れるたび、彼女の体は嫌でも反応する。
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