うたプリ〜声の届かない深海で〜

□SCORE#01 
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早乙女学園入学式。

少女は桜並木を抜け校門の前に立った。

その少女は大きく息を吸い、気合を入れるように頬を叩く。意外といたかった……。

そして『よし!』と言わんばかりに鞄の持ち手を強くつかみ、学園に足を踏み入れた。

学園の校舎には、『こちらデース!』と書いてある張り紙が大量に貼られ、校舎が見えなくなってしまっている。


「・・・。」


ホントに早乙女学園ってこんなとこなの?

少女はややあきれながらも、こちらデースと書いてある張り紙の矢印のほうに向かって歩いた。

しばらくすると、『STOPここデース!中にはいるのよーん。BUT遅刻はダメダメよ』と書かれている張り紙にきずく。

しかし、驚くのに飽きてきたのか少女はそれを無視して中に入った。

そこはライブができる講堂で、ざっと400人以上は入る広さだ。

広いのか狭いのかわかりかねるが、まぁ普通と言うことで。

すごい、と感動していると少女が開いた扉がキーッと講堂内に鳴り響いた。

初日から少し遅刻してしまった少女に視線が向く。

そして、視線が痛いです。私のせいですが!何か問題でも!


「今年も面白くなりそうだ」


ステージに立っていた学園長は誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやいた。


「初日から遅刻とはいい度胸デス。そんなに目立ちたいのならこのステージで楽器でも演奏してみてくださーい!」


その言葉に講堂の中がざわめく。


「社長、さすがにそれは・・・」


「ハーッハッハッ!Meがこの学園のルールです!龍也さん、いいですね?」


「・・・(まじですか・・・)」


しかたなしに、少女は学園長の言うとおりにステージに向った。用意された楽器はピアノ。

(このピアノ、とてもいい声。いっぱい唄いたがってる)

そのとたん、その少女の雰囲気が変った。


「すごい・・・」


「こんな音聴いた事無い・・・」


「演奏に引き込まれる・・・」


少女の音は講堂内の全ての者を魅了する。

演奏が終わると講堂内から拍手と歓声が響いた。

少女はお辞儀をし、ステージから降りる。

「・・・ということで、Meはこの学園の学園長。シャイニーング早乙女」


周りの人たちは、どういうことで?と言っていたが少女にはもう突っ込む気力ものこっていなかった。
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