-White Snow-

□11.Let's!
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「…負けちゃったんだ、γ。」

「うるせぇ…油断しただけだ…。」

「雲雀の話はしてなかったんだっけ…ごめんね?」

「それよりお前さん…やっぱりボンゴレと繋がってただろ…」

「γの思ってる8割は当たってるかも。だけど、うんとは言えないよ。」


ましろは倒れているγの側に座って空を見上げる。

綺麗な青と雲の白が混ざって不思議な景色が広がっていた。

しばらく無言でその様子を見ていたγは一つだけため息を吐いて口を開く。


「…野猿が、邪魔をしたって話してたんだが…それは事実なのか?」

「うん。それは本当。」

「理由は聞いたら話してくれるのか?」

「………。」

「そう、かい…。」


特にそれ以外の会話がなされることもなく、ましろは救援隊が到着する直前までこの場にいた。

助けるわけでも情報を得るわけでも、笑いに来たわけでもない。

ただ側に居て挨拶代わりの話を少しだけ。

γが再び意識を手放す寸前に聞こえた歌声は、どこか寂しげに響いていた。










ましろはこっそりとアジトに戻って来て、何事も無かったかのようにランボたちと遊んでいた。

鬼ごっこや隠れんぼといった、広い場所だからこそできるものばかり。

それらも飽きて別の遊びを要求された頃。


「うーん…それじゃあ、これはどうかなっ?」


ましろは匣から黒い鼠を出してパチンッと指を鳴らす。

たちまち霧が全身を包んであっという間に綱吉に変身してしまった。

その姿を見たランボはもちろん、京子やハルも揃って驚く。


「ましろちゃんすごーい!ツナ君そっくり!」


「ハルもびっくりです!それはどういった魔法なんですか?」

「えへへ…この子が力を貸してくれるの。」

「ちゅぅ!」

「わあ〜可愛いハムスター。」

「はひっ!きょ、京子ちゃん…これはどう見てもネズミじゃあ…」

「がはは!ランボさん、いいこと思いついたもんね!」

「いいこと…?」


京子とハルは夕食の下準備ということで別れ、ましろとランボとイーピンで部屋にいた。

ランボの新しい企みによると、色んな人に変身して驚かせようという内容。

ましろも演技の練習になればと思えばあまり悪い気がしなかった。

唯一、イーピンだけが必死に二人を止めようと努めていた。


「よーし!とりあえず綱吉のままで誰かに会ってみようかな。」

「悪いこと、ダメ!」

「イーピン、これは訓練だよ。敵を欺く為の訓練!」

「ましろ!早く行くもんね〜!」

「あ…待って、ランボ!また迷子になるよ!」

「イーピンも、行く!」


こうして三人はアジトの廊下を駆けて獲物を探しに行くのだった。



...
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