-White Snow-

□3.事の始まり。
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ましろと綱吉たちが出会ってから幾日か過ぎ…世間はある事件の話で持ちきりになった。

それは、並盛中学校の生徒が次々と何者かに襲われるという物騒なもの。

綱吉たちが事件の犯人を追って不在な中、何も知らないましろは外出禁止だけ言い渡されていた。

最初のうちは家で遊んでいたましろ。

しかし次第に色んなことに飽きてきて、今は窓から外を眺めている。




「つなよし…いない…。つまんない…。」




ボーッとしている所に、部屋の扉が開く音。

帰ってきたのかと思ってすぐに振り返るが、入ってきたのはランボだった。

「ランボさん、新しい遊び考えたもんね〜!」

「遊び?ましろもやりたい!」

「やだもんね!知りたかったらランボさん捕まえてみせるんだもんね!」

ランボは意地悪く笑って、捕まえようと伸ばしたましろの手からすり抜ける。

「らんぼ!まって!」

「待たないもんね〜!」

徐々に逃げ場を追い詰めるも、ランボの速さに追い付けない。

やっとのことで壁際へ誘導したが、それでもピョンと飛び跳ねて開いていた窓へ。



「あっ…!」



「ましろは遅いなぁ〜ランボさんはここだよ〜?」



窓から外へ飛び出したランボ。


ましろも無意識にそれを追って玄関から飛び出してしまった。



「ガハハハッ!こっちだもんね〜!」



「…らんぼっ!つなよしが、外だめって!」



ましろは必死に追い掛けたがうまく撒かれてしまった。

肩で息をしながら、乱れた呼吸をとりあえず落ち着けようと深く空気を吸う。

それから諦めて家に戻ろうと振り返ったところでハッとした。


追うことに夢中で帰り道を覚えてない。


「ど、どうしよう…つなよし…」

急に不安になって、ましろは綱吉の名前を何度も呟いた。

泣きそうにはならなかったが、日が陰る様子が見える度に恐怖が募る。

しばらく歩いた先に、見なかった人の後ろ姿。

少し変な髪型が気になったが今はそうも言ってられない。



「…あ、の……」



勇気を振り絞って声を掛けた。


「…おや、どうかしましたか?」


振り向いた人の瞳に、ましろは思わず固まってしまった。






見えたのは紅と蒼の、オッドアイ。



...
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