幻実のかくれんぼ置き場

□最初で最後の行事準備
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10月も後半に近づいたある日のホームルームで、全クラスはその日の内に文化祭の出し物を決めた。
皆が楽しみだと決めただけだというのに浮かれ始めた中、水面は青い顔をしていた。その理由は黒板に書かれた文字、天辺には花マルの印がつけられている。そこには、『男女逆転和服喫茶店』と画数の多い文字が綺麗な時で書かれていた。

「なんで…なんでよりにもよって逆転なの…!?ねぇ優!」
「っふ、あっはは、まさかダメ元で出してみたのが採用されるなんてね」

優とは同じクラスで、白狼とは離れてしまっている中、水面が心を開いて話せているのはクラス内では優しかいなかった。反対に優は友好的でいろんな人と話したりと打ち解けた様子でいた。
そんな優が面白半分で提案した案がこれだった。優は採用されたことに堪えきれずに笑っていた。

「和服、和服はいらないんじゃあないかなぁ…高いし…ねぇ優…」
「そう言っても仕方ないじゃない。ふふっ…うちのクラスの女子器用だから作るとか言ってたわよ?」

クスクスと笑いながら優が答えると、水面は頭を抱えた。ため息を着くと優はまぁまぁと肩を叩いて言った。

「少し前まで家での服は和服だったんだし、似合わないことはないと思うけど?」

唸り声をあげて水面がうつ伏せると、優は少し悪いことをしてしまったかもしれないと頭を撫でた。
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