他の短い夢
□あの世で
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ここに裕璃を監禁して3ヵ月
周りの奴は薄々気が付いているかもしれない
『ねぇねぇ、人橋君。今日は雨?』
珍しく、裕璃が天気のことをきいてくる
「そうだよ、どうしたの?」
『外からそんな音がしたから』
裕璃の手元には
[空・天気の不思議]
と書かれた本があった
見ていたのが気付かれたのか
『あのね、私今、空のこと調べてるの!』
と楽しそうに言った
へえ、空…
『私、オーロラを見てみたいんだ』
裕璃は、目を輝かせて楽しそうにオーロラについて
話し出す
裕璃は3ヵ月前から僕に監禁されていて
その間ずっと外の世界を視ていない
こういう事に興味を持ったということは、
外の世界に興味を持ったということ
つまり
「ここから出たがってる…?」