続かなかった話
□ため息の数だけ束ねたブーケ
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恋とは
涙とため息でできたもの
と昔のある作家がそう綴ったと書いてある本を眺めて
あぁ確かにと思う私がいた
私が恋をしたのは五年前
入学式の日だった
『なんで私がくのいちにならなきゃいけないの!』
文句をだらだら垂れながら広大に広がる学園の塀沿いを歩いていた
『だいたい作法を習いにいくなら忍術じゃなくても習い事で良いじゃない!』
ぶつぶつ呟きから怒りが溢れる大きな声へと変わった私は何がしたくてこんなところ…と大きな荷物を背負いながら歩いていた
「君は忍びになりたくないの?」
不意に後ろから話し掛けられ人が居たなんてと驚くと共にあんな大声で学園の悪口を言った私は執着が襲いかかって顔を紅葉させる
『なん、でもないです/////』
もう誰だよ!恥ずかしいじゃない!
其処にいたのは私より小柄な少年でにこにこしながらこちらを見ていた
「そう?だいぶ怒っていたみたいだけど」
『き、気にしないで!///』
「分かった!僕は善法寺伊作!」
『私は…名無しさんです』
「良かったら一緒に行こう!」
にこにこしながら自己紹介をしてくれた彼につられて私も笑って何の変哲のない塀沿いを二人で歩いた
思えばこの時から私は伊作が好きなのかもしれない
入学してからも忍たまとくのいちにしたらよく会う方だったと思う
理由を付けて会いに行ったり
保険委員の彼に手当して貰いたくて小さなけがでも医務室に行ってた
学年が上がるにつれどんどん忍たまに関わることがなくなり会いに行くには怪我か病気しかなった
『なんで…なんでこんなに痛いの…吐き気もするし』
三年生になったとき月のものが来てとんでもない痛みに耐えられずうずくまっていた
ここはくのたま唯一の委員会学園環境美化委員会の花畑で先輩達は実践授業で学園にはおらず後輩は居ない委員会の為私一人で痛みの波が収まるまでうずくまるしかなかった
「名無しさんちゃん!」
なん、で?
「名無しさんちゃん大丈夫?どうしたの!?」
み、見ないで
今の私を見ないで
あて布では吸い取りきらないくらい流血し忍衣のお尻当たりを赤く染めていて恥ずかしくて伊作君に見られたらたまったもんじゃない
『こ、こないで!』
「え?」
『お願いこないで!』
「で、でも…」
『お願い…お願い…来ないで』
「先生…呼んで来るね」
酷いこと言ってしまった
そう思った時には彼は眉を下げ悲しそうな顔で来た方向に引き返した
彼は薬草を詰みに来ただけだったことを落ちた籠が語っていた
ごめんなさいごめんなさいと泣きながら呟く私にあわてて駆け寄ってきたシナ先生は大丈夫よと抱き締めてくれた
こんなつらい思いをしなきゃイケないのなら女なんかやめたいと思うようになっていた
でも女で良かったとすぐに思い返すことになる
「あぁ!?やんのか!」
「あぁ!?上等だ!」
目の前で繰り広げ等れているお互いノーガードの殴り合い
これを見たときばかりは男でなくて良かったと思った
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と、ここまで書いて断念
伊作さん大好きだからと思ったら失敗しました…あーぁ、文才が欲しい