儚く…そして美しく

□各々の意識
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自分の宛がわれてる部屋に入り、キョウをそっとベットに横たえる

やはりキョウの顔はうっすらと紅く、時々聴こえる声は…やべぇ…分かっている。薬のせいでこうなっている。
だからこの状態で襲うなんて奴と一緒になってしまう。
「んっ…り…ば…、さ…ん」
「っ」
くそっ…!
軽く口付けをし、ソファに移る。
「クソガキ。早く目を覚ませ」
俺の理性は思ったよりも細そうだ…























「ん……」

アツぃ…
身体にまとわりつく熱さとダルさで目が覚めた
何処…?
……


「っ!?」
自分が横たわっているのがベットだと判り、自分の意思に関係なく身体が震える
まさかまさかまさか…
「キョウ!」
聴こえる声はリヴァイさんの普段は聞かない焦った声
「大丈夫か?」
「り、「すまなかった…」っ!?」
ギュッと力強く抱き締められて謝られた
「な、ん…?」
「…。エルヴィンは…俺の上官だ…いや、違う。助けるのが…気付くのが遅くて」
悪かった。再び謝られた

「キョウ。お前を守りたい。」
「っ」
「一度しか言わねぇ…お前を」
愛している。だから俺から離れるな。ずっと隣に居ろ
抱きついててリヴァイさんの顔が見れない。でも見られず済む。
こんなボロボロに泣いてる顔なんて…






















暫く泣き崩れてやっと離された
俺の答えは決まっている…
「でも…」
ボソッと呟いた一言は見事に拾われた

「でも、じゃねぇ。言え。お前がどうしたいか、だ」

今、リヴァイさんは真剣に向き合ってくれている。
いつ消えてもおかしくないやつと…
違う。
それはお互いなんだ

壁外調査に行けばいつ食われるかわからない…
リヴァイさん…リヴァイさん!

気付かないうちに、また重荷を背負わせてしまった…俺と言う名の…

「りば、ぃ、さん…」

いや、死なないし、消えたりしない!
俺も貴方と居たい

「じ、つは、やさしくて…さび、しがり、やな、りば、ぃ、さん……」
「っ!?」
「じょうにあつくて…」
あぁ、また涙が溢れていく
「キョウよ。いい加減泣き止まねぇと目が溶けまう」
そっと拭ってくれる優しい手
表情は変わらないけど
目は穏やかに笑っている
「お、れも……わた、しも、リヴァイさん、が…す、きっ!?」
またギュッとされて口付けされた

団長みたいな嫌悪感あるものではなく、優しく、愛しく…甘く

あぁ
なんて幸福なんだろう

この時間が続けばいい。

そう思った…

この人と供に歩みたい
この人を一人にさせたくない

誰よりも感情を押し隠してしまう…この人の…羽を休める場所に………









































しかし数日後に控えている
大規模な壁外調査に俺が行くことは叶わなかった…






































⇒アトガキ

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