儚く…そして美しく

□新事実
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「いっ!」


声を出さないようにしていたが、割とぱっくりだったみたいで、消毒液がめちゃめちゃ滲みる。
自業自得なんですが…
つか、この時点でもまだリヴァイさんと目を合わせられない
めちゃめちゃ気配が怒ってるもんなぁー…
自分でケリをつけれればよかったけど…

「おい」
「は、はぃっ!!」
「なんでこうなった?」
「…」

言えるわけない…
リヴァイさんの隣に居る資格がないと言われ、エレンをバケモノなんて呼んでいた事に激怒して…手を下しそうになったとこに叫ばれたなんて…

「!」

グイッと髪を引っ張られ無理矢理合わせられた目
あぁ…やっぱりめちゃめちゃ怒ってらっしゃる…


「言えねぇのかクソガキ」
「あー…つまり俺の不手際でして……」
「…そうじゃねぇ。言われたんだろ?俺の隣がどうたらとか」

あぁ…
ちゃんと聴こえてたんすね……

「…リヴァイさんの隣に居る資格が無いと…確かに監視対象者として…階級を頂いてるなんておこがましいですよね」
うん。つまり返上するべきなんだろうけど、いや、待てって
今までの事を見てくれて、信用してくれて、今の俺が居るわけで…別に返上しなくてもいいんじゃねぇ?
まぁ、それに関してはそう思っていたから…それにキレた訳じゃないんだけど…
「お前は嘘が下手だな」
「へ?」
余りバレたためしがないんですけど…
「お前はお前だ…ただのキョウなんだから、言われた通りお前がバケモノなら俺もバケモノだ」

「ちがっ!!」
そんな事を言わせたかったんじゃない!!
この人にそんな顔をさせたかったんじゃない!

「ただ、普通の人は…焔なんか使えたら恐いですよね…」
「最初はびっくりしたが、お前はちゃんとコントロールしてんだろ。なら気にするな。まずそんなもん頼ってねぇだろお前。素手で俺の蹴りを受け止めるわ、自分の倍はある奴を投げ飛ばすし、立体起動無しで樹に登ってそのまま巨人を削ぐし…末恐ろしいな」
リヴァイさん…
ちゃんと見てくれている
俺と向き合ってくれてる
この人はすごいなって…
「り、ばぃさん…」
此処来て涙腺弱くなったよ…
「あぁ…我慢すんなクソガキ。俺を頼れ。そんなに頼れねぇか?」

ブンブンと首を横に降る

「ご、めんなさい…自分で…どうにかなると……」
「ったく…次回からちゃんと報告しろ。わかったな」
たどたどしく背中を撫でてくれる無器用で…とても優しい人…
「は、い…」
「この件は今、エルヴィンと憲兵団が受け持っているが、惨状を見てるし、それにお前は手をだしてねぇ。アイツらに非が有るのは誰の目からしても明かだ。これで判らないようなクズならただの豚野郎だな」

「リヴァイさん…ありがとうございます……」

また今回も助けられてしまった…学習しないなぁ……

「キョウよ」
「はい…ほんとすみませんでした…」
「クソガキはクソガキらしく頼れ」
「……もう24になるの捕まえてクソガキって…」
いつも思ってはいたけど…とうとう突っ込んでしまった
あっ、ギュってされたままなんの反応もないよこの人
「…リヴァイさぁん…?」
恐る恐る顔を覗いてみれば
なに言ってんだこいつ。な顔
この人にすればレアなお顔
そう言えば今日はよく喋るな…なんて思い、そして気づいた。年齢言ってなかったことを。勘違いさせたままでもいいや。と、思ってご想像に、で、誤魔化したんだっけ
「そうか」
「は?」
いや、ちょっと口角あげてニヤリ顔がサマになってますからね兵長。俺は餓鬼を好きになった訳じゃねえのか…犯罪にはならねぇな。とか考えてたなんて知りもせず……
そのままエルヴィン団長が来るまでリヴァイさんに抱きついて眠ってしまった。


落ち着く。




リヴァイさん…少しは甘えてもいいですか…?
















そして数日間、件の騒ぎは続き
総統自ら乗りだし…結局憲兵団の兵士だったことに憲兵団長も申し訳ない。と謝られる始末。
特別班、供にハンジさんやミケさんも激怒し、団長もそれは大層御立腹だったようで……
そんな中でも人類最強はちょっと機嫌が良かったらしく…
これに気が付いたのは俺とエレンだけで、二人で首を傾げた


事件は無事収拾したが…
イロで階級をもらったんだ、など言うものは居なくなったが…キョウ・アサクラはキレるとヤバイ。
殺気で人一人殺してしまう。
笑顔はかわいいのにっ!
悪魔みたいだっ!!
など…なんだか違うような噂が広まったとかなんとか……

それでも人気なのには変わらず…相変わらず手紙はひっきりなしに届き、いい加減それを見た兵長が「いっそのこと、俺の私物だ。と言うか」など物騒な事を言っていたのはスルーしておこう…






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