儚く…そして美しく
□お酒と薬は程々に…
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なんだか隣が煩ぇ気がする
あのガキ共を躾して埃だらけになったので、早々に風呂に入った。後は寝るだけだが、どうも隣が気になる
キョウ・アサクラ。
何者なんだアイツは……
俺に平気で突っかかると思えば一線を引き、全体を見て
とても冷めた目をする
へらへらした態度も問題だが馬鹿じゃない
そして不思議な力も使う。
どうにも気になりすぎてる自分がまずおかしい。
普段なら気にするはずもなく
ましてや監視下に置き、隣に部屋を与えるなんてな
エルヴィンとハンジも何か感じてやがったし…
アイツの実力…
総てが知りてぇ
「ってなに考えてんだ…ガラにもねぇ…」
コンコン
「誰だ」
「りぶぁいさぁーんっ!」
「!」
急な来訪者は
「キョウ、なのか…?」
「はぁいっwwわたしは、きょう・あさくられふっ」
12・3くらいのガキの姿ではなく…どう考えても成人済みの女の姿で…
寝間着だったのかシャツを一枚しか羽織っていない薄着で抱き着いてきた
「お、おい」
「りぶぁいさぁん…あれ?しんちょーちぢみまひた?」
「お前が延びたんだ…ってか離れろ」
押し倒された訳じゃないが前から抱き着かれて全体重をかけられている。そんな柔ではないが…こいつ、俺と同じ身長しやがって…ましてや体勢が不利すぎるのでそのまま横抱きにし、ソファまで連れていく
しかし
「軽すぎる…」
あの威力があるからてっきり筋肉質で重いのかと思っていたが、…軽いし…やはり女って感じの細腕だ。変わったのは身長と髪の長さか?もしかしらこいつの本来の姿なのかもしれねぇが…なぜ小さくなったのかまでは謎のままだ…くだらねぇ…馬鹿馬鹿しくなり、オレンジ色に近い肩まで伸びた髪をすいてみると…
「りぶぁいさぁん、なんかやさしいれすね…」
なんて…だからそんな目をするな…お前は猫かっ
「ふふふ…暖かい…」
「酔っぱらいは早く寝ちまえ…」
おまけに酒くさい…騒いでたのはそのせいか、など考えてると
「りばい、すわん、は…い、にゃくにゃらにゃいでくら、さい……」
「わたし、は、しって、いても…しらにゃい、ひと…、しらにゃいばしょ…いっぽ、う、て、き、なおもい…ひとり、は、こわい、んで、す…」
そうか…こいつは不安だったのか…
巨人に食われて、ここまで来て…いきなり牢屋に入れられて、普通は誰も信用出来よな…
なのに俺に頼るとか…
本当に変わった奴だよ、お前は
だが
「悪くない」
目を覚ましたら言ってやるか…
お前は独りじゃない
俺はお前を置いては逝かないと
それに面白くないが、エルヴィンにハンジ、特別班みんながお前に構ってるんだ
大丈夫
今日、だけは仕方ねぇ一緒に寝てやるよ
「おやすみ、キョウ」