しょうせつ

□水田
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(拍手小説の続きみたいのですが読まなくても大丈夫だと思います)




ノブの口に自ら吸い付いてあげるとノブは目をこれでもかと言うくらい見開いた。きっと私がこういうことしてくるだなんて予想していなかったのだろう。ちょっとした優越感が湧いた。ノブの唇をひと舐めすると肩が少し跳ねたのがわかった。うっすらと開いた口に待ってましたと言わんばかりに舌を押し入れる。舌を絡めて、少し吸い上げて甘噛みをする。熱い息がかかるのが分かる。あ、今すごいやらしい顔してる。私はノブのこの顔が好きだ。余裕のない表情。それを私がさせてると思うと少し興奮した。チュッと最後に口を吸って少し口を離す。そしてまたすぐに貪りつく。まるで息をも食いつくかのように。今の私は宛ら獣に見えているのだろう。しばらく舌を絡めたり吸い付いたりを繰り返した後ゆっくり顔を離した。彼は力が抜けたのか私にくったりと体を預けた。きっとこういうキスをされたのは初めてなのだろう。スッと頭を撫でるとピクッと体を震わせた。彼の口から溢れた涎が私の服にポタポタと滴り落ちる。私はそれさえも愛おしく見えた。

「…どう?大人のキスは」

「…っす、ご…クセに、なりそうや…」

なあ、もっかい。と言いながら私に縋りついてくるノブの目の奥には欲望の炎がユラユラと揺れていて。私はクツクツと喉で笑いもう一度吸い付いてあげた。もっと、もっと。もっと私を求めて。一生私以外とキスできなくなってしまえばいい。

20140209

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