しょうせつ

□御堂筋
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おーい、○○ちゃーん、ええ加減起きひんと終電、なくなってまうでー。膝の上でスヤスヤ眠る○○ちゃんの額をペチペチ叩いてみるがうーんと少し唸るだけで全く起きる気配はない。あー、おばさんとかユキちゃんに見られたらからかわれそうやなあ。ていうか、絶対からかわれるわ。嫌やなあ。もう○○ちゃんを起こすのは諦めるとしてどうにかリビングから自分の部屋に移動したいんやけど、膝の自由が失われとるから動くに動かれへん。どうしょうかなあ。夜も遅いからだいぶ冷えてきたしはよ布団入ってあったまりたいんやけどなあ。膝から感じる温もりは未だ気持ちよさそうに眠っとる。ボクもはよ寝たいんやけど。あ、なんかちょっとイラッときたわ。○○ちゃんのほっぺをギューっと抓ると気持ちよさそうな顔が一変してしかめっ面になった。力を緩めてむにむにと揉むとふにゃっとした笑顔になる。うわー一人百面相や。おもろ。しばらくそれで遊んどると○○ちゃんの瞼が震えたのがわかった。お、起きるか?と思った瞬間○○ちゃんの目がゆっくりと開かれた。

「…やっと起きたわ。もう膝感覚ないんやけど」

「あ、れ…?みどくん…あれ?私…」

「もう終電ないで」

「え…えっ!?う、嘘っ」

「う・そ…って言いたいとこやけどほんまやで」

「え、ええええぇ…!!うわ、どうしよう…!!」

「ププ…○○ちゃん帰られへんくなったなあ?今日は野宿でもする?」

「うぅ…さ、最低風が凌げればどこでもいいかな…?」

「…ほんまに野宿する気なん?アホなんちゃうの」

「え、だってお金もないし、ここから歩いて帰る気力はないし…」

「ハァ…○○ちゃんってほんまにアホやってんな。そこは御堂筋くん、今日泊めてくれへん?って言うとこなんちゃうん?」

「えっ…で、でも、迷惑かけちゃうし…」

「…迷惑やったらそもそも家あげてへんわ。ファーア。ええから、はよ寝ようや。ボクもう眠いねん。ほら、ボクん部屋行くで。」


20140129

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