ぶっとばせ!
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「結局一番でかい魚は逃がしちまったよーで。悪いやつほどよく眠るとはよく言ったもんで」
日の沈みかけた屋上で、俺のとなりに立っていた総悟がきりだす。
「ついでにてめぇらも眠ってくれや永遠に。人のこと散々利用してくれやがってよ。」
てめぇらって俺も入ってるのか。
「だから助けに来てあげたじゃないですか。拗ねないでくださいよ」
「別に拗ねてねぇよ」
「ね?土方さん」
「しらん。テメーらなんざ助けに来た覚えはねぇ。」
俺がふると、澄ました顔をした土方が言った。
「だが、もし今回の件で真選組に火の粉がふりかかったらてめぇやのせいだ。全員切腹だから」
「え?」
「ムリムリ!!あんなもん相当ノリノリの時じゃないと無理だから!」
「土方さーんノリノリだったら切腹してもいいらしいですよー」
「言葉のあやだぁぁあ!いちいち拾うんじゃねーよ!」
「心配いりやせんぜ。俺が介錯してあげまさぁ。チャイナ、てめぇのときは手元が狂うかもしれねーが。」
「コイツ絶対私のこと好きアルヨ。ウゼー」
神楽の言葉に「え」と小さく声を漏らす。
隣の総悟を見ると、俺の声が聞こえたのか、総悟もこっちを見ていた。
「総悟・・・神楽のこと好きなのか?」
総悟はそれを聞くと心底嫌そうな顔をした。
「誰があいつなんか好きになるかィ。・・・なんでぃ李斗、きになんのかぃ?」
今度はニヤニヤし出した総悟に俺は、ハッとする。
そうだ。なにを気にしてるんだ。総悟が神楽のことを好きでも別にいいじゃないか。全く何を言い出すんだか。
「いや?別に?どーでもいいし。ちょっと聞いてみただけだよ」
「ふーん」
まだニヤニヤする総悟の足を踏みにいけば軽々と避けられる。むかつく。
俺たちの会話を聞いてなかったらしい土方が立ち去り際に爆弾を落とした。
「総悟、李斗、言っとくけどてめーらもだぞ」
「「マジでか」」