ぶっとばせ!

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「ざっと屋敷を見させてもらいましたがね。こりゃ相当強力な霊の波動を感じますなゴリラ」

「あ、今、確実にゴリラって言ったよね」

場所は移って室内へ。屯所内を調べ終わったよろず・・・拝み屋から報告を受けていた。

「まぁとりあえず徐霊してみますかね、こりゃ相当料金も高くなるゴリよ」

「オイオイなんか口癖みたいになってるぞ」

「して、霊はいかようなものゴリか?」

「うつった!!」

「えーと・・・工場長。」

神楽が言った瞬間、銀時が神楽の頭を叩いた。

「えーベルトコンベアに挟まって死んだ工場長の霊です。」

「みんなが見たっていってるのは女の霊ゴリよ」

「またうつった!」

「間違えました。ベルトコンベアに挟まって死んだ工場長に似てるって言われて自殺した女の霊です」

「なげーよ!工場長のくだりいるかァァ!?」

土方のツッコミスキルを拝み屋の存在についてに使ってほしいと思った。

「とりあえずお前山崎とか言ったか・・・」

「え?」

「お前の体に霊をおろして徐霊するから」

ターゲットにした山崎を三人は取り囲む。他から見れば完全にいじめの現場である。

「え・・・ちょっ徐霊ってどーやるんですか?」 

「お前ごとしばく」

「なんだぁそれ誰でもできるじゃねーか・・・ぐはっ」

抵抗も虚しく、ボディーブローを入れられた山崎は倒れる。

「ハイ!いまコレ入りました。霊入りましたよ〜コレ」

「霊ッつーかボディーブローが入ったように見えたんですけど」

「違うよ私入りました。えー皆さん今日でこの工場は潰れますが責任は全て私・・・」

「おいいいい!工場長じゃねーか!」

土方のツッコミに、拝み屋三人はまた丸くなり会議を始めた。
グダグダ過ぎてばれるのも時間の問題な気がする。
見ているうちに喧嘩し始めた。話の内容は途中から丸聞こえだった。


パサッ



変装するために被っていたと思われる帽子が畳に落ちて、見れば変装がとれかけた万事屋三人が固まっていた。














ミーンミーン



「悪気はなかったんです・・・仕事もなかったんです。夏だからオバケ退治なんて儲かるんじゃねーのって軽いノリで街ふれまわってたら・・・ねぇ銀さん?」

木からみのむし状態で逆さ釣りされた三人。俺は総悟の隣で岩に座って新八の説明を聞いていた。

「そーだよ。俺昔から霊とか見えるからさ〜それを人の役に立てたくて。あっ君らの後ろにメチャクチャ怒ってるババアが見えるね。」

「マジですかィ?きっと駄菓子屋のババアだ。アイスの当たりくじ何回も偽造して騙したから怒ってんだ。李斗、どーする?」

「どーするも何も俺そんなことやってないんですけど。勝手に祟られてろ」

「心配いらねーよ。俺たちを解放し水を与えてやれば全部水に流すってよ。」

「そーか分かりやした。じゃぁコレ鼻から飲んでくだせぇ」

そういって飲んでいたジュースを銀時の鼻に垂らす総悟。

「いだだだだだだ!何コレ!なんか懐かしい感覚!昔プールで溺れたときの感覚!」

「総悟、あんまりやるなよ」

「はっ!何李斗君優しいとこあんじゃ〜ん。いいよもっといってやれ」

「調子に乗らないでください天パ。俺はただ天パクズの男の鼻に吸い込まれてくジュースが哀れになっただけです。」

「俺はジュース以下ってことかゴルァァ!!」

当たり前だ、と言う顔をすればなおも暴れる銀時。そんなに暴れたって体力削がれるだけだということにまだ気づかない様子。ばかだ。

「銀ちゃん、私頭爆発しそう。パーンって・・・助けて!」

「オーイいたいけな少女が頭爆発するってよぉ!いいのかテメーらこの小説終わるぞコラァァ!!」

「次回から『真選組血風帳』スタート!みんな絶対見てくれよな」

「さらに強くなって帰ってきた李斗の実力やいかに!」

「あ、コレ僕ら殺されますね」

総悟と俺が偽予告をしていたら悟ったように新八が呟いた。

「李斗ー私もう死んじゃうヨ〜」

神楽が死にそうな声を出した。
神楽は夜兎だから傘ささずに逆さ釣りはちょっとヤバいかもしれない。

「しょうがねぇな。」

神楽を縛る縄をほどいて俺のさしていた傘にいれる。

「やっぱり李斗はイケメンネ!一生ついていくヨ!」

抱きついてきた神楽を受け止めると、かなりの衝撃だった。こんな力有り余ってんならあのまま放置しててもしばらくは大丈夫だったんじゃないだろうか。

と、思っていたら横からなにか視線を感じた。振り向いて見るとそこには生暖かい目をした逆さ釣りの二人とジュースの缶を持った一人がいた。

「なに?」

「「「いや、別に。」」」

声を揃えて言う三人は訳がわからないが、銀時が今の状況を思い出したのかまた騒ぎだした。

「てゆーか神楽だけじゃなくて俺らも助けろよ!この似非紳士!」

「誰が似非紳士ですか。黙りやがらねーとお汁粉鼻にぶちこみますよ」

「なんでお汁粉!?うまいけど鼻にいれるもんじゃないよね?」

「黙れって言いましたよね?」

懐から拳銃を取り出して銀時の脳天に突きつける。

「誰か助けてェェ!!」

銀時の叫びは、縁側でくつろいでいた近藤さんと土方さんに聞き届けられ二人も縄から解き放たれたのだった。

非常に残念だ。
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