ぶっとばせ!

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「で、下着ドロボーでしたっけ?」

俺がファミレスにつくとメンバーはもう揃ってたみたいで、銀時、神楽、お妙、新八がいた。 
神楽の隣に座ってパフェを注文してから話に入る。ちなみにパフェ代を払う気は全くない。

「そーなんだよ李斗。僕が旅行中に二回もやられたらしくて、なんとかならないかな?」

「昔の人はよぉ着物の下はノーパンだったらしいぜお姫様も。お姫様なのに着物の下はもう暴れん坊将軍だよお前。そのギャップがいいんだよおしとやかな顔して暴れん坊将軍かい!みたいな・・・」

俺が口を開く前に銀時が何故かノーパンについて語り始めた。下着ドロの前に捕まえるべきはこいつじゃないだろうか。

「てめーのノーパン談義はどーでもいいんだよ。こちとらお気に入りの勝負パンツとられてんだぞコラ」

「勝負パンツってお姉サン誰かと決闘でもするのかイ?」

テーブルに身を乗り出して銀時の白髪をわしづかむお妙にとぼけた口調で尋ねる銀時。 

銀時が使えないので再度こっちを向いたお妙はさっきの瞳孔開いた姿とはうってかわりニコリとわらった。

「こんな風にうちの新ちゃんもそこのダメ男も使い物にならないの。どうしたらいいかしら」

「こんな風にって、僕はノーパン談義はしてませんよ姉上」

「どうしたらって・・・下着ドロは真選組の管轄じゃないんですけどね。そもそも何がしたいんてすか?下着取り返せばいいんですか?」

「パンツを取り戻した上でパンツを盗んだ奴を血祭りにしたい」

「その程度ならお手伝いしますけど。」

しかし下着を取り戻すのはどうだろう。おそらく犯人はふんどし仮面だ。盗まれた下着はすでにモテない男どもに寄付されている可能性がある。探すのは苦労するし一度男共に渡った下着をもう一度使用する気になるか。

「その程度じゃねぇよ。恐ろしい奴だな。こいつもう発言がパンツをはく文明人の発言じゃねーよ。裸で槍をもって野を駆ける人の発言だよ」

「下着ドロなんて女の敵アル。姉御私も一肌脱ぎますぜ!ね!李斗」

「そーだな」

「よしよくいった。ついてこい杯を交わすぞ」

「俺もあとでいきます。」

「いや、いっちゃダメだよ!まてまてまて!死人が出るよ!君ら三人はヤバイって!!」


口調が変わったお妙は神楽と共に去っていく。その背中に声をかけるとお妙の返事と被せるように新八が止めに入った。

「まずいよ。最強トリオがユニット組んじゃったよ」

「ほっとけよ。ホシの目星はもうついてるだろ?」

頬杖をついていう銀時はすでにふんどし仮面のことを知っているのか、それとも・・・

「え?一体誰・・・!!」


新八が振り返った視線の先、テーブルの下には体を丸めて隠れる、人間によくにたゴリラが。

「近藤さん・・・」

このゴリラ、俺がここについたときにはもうそこにいた。お妙が暴れないように何も言わなかったのだが銀時も気づいていたらしい。

「なんだぁぁぁぁ!!まさか俺を疑っているのか貴様らぁぁ!!侍が下着泥棒なんて卑劣な真似するわけないだろーがぁ!!」

上半身だけ起き上がって反論する近藤さんだが説得力がまるでない。今までふんどし仮面が犯人だと思っていたが近藤さんが犯人でもかばえる自信が皆無だ。

「侍がストーカーなんてするわけねーだろーが」

「てゆーか侍とかの前にあんた仮にも一応ケーサツですよね」

しゃがみこんで銀時と冷たい目線を送る。

「ストーカーはしても下着ドロなんてするか!訴えるぞ貴様!!」 

「訴えられるのはテメーだぁ!!」

ストーカーは許して下着ドロは許さない基準が分からない。本当にこの人警察のトップなんだろうか。

「これで真選組解体か〜いやめでてーな〜」

「まぁそんな冗談はさておき、下着ドロは近藤さんではなくこっちですよ多分」

真選組解体はさすがに避けなければならないので話をそらすため新聞を銀時と新八に見せる。

「何すかこれ?またも出没怪盗ふんどし仮面」

「最近巷を騒がしているコソドロだ。その名の通り風体も異様な奴でな、真っ赤なふんどしを頭にかぶり、ブリーフ一丁で闇をかけ、キレーな娘の下着ばかりをかっさらい、それをモテない男たちにばらまくという妙な奴さ。」

「何ですかソレネズミ小僧の変態バージョン?」

俺の代わりに説明する近藤さんは他人事のように説明するがこのゴリラもまた、貰ったパンツを後生大事に持ち歩く変態だ。

「そーかこのパンツにはそーゆう意味が!俺ぁてっきりサンタさんのプレゼントかと・・・」

「あんたもらってたんかィィ!!」

変態がもう一人いた。

「フハハハハハ!そりゃぁお前モテない男と見なされた証拠だよ哀れだな〜」

勝ち誇ったように笑う近藤さんの懐からは一般の常識ある男ならば持っているはずのないもの。 

「見えてますよ懐からモテない男の勲章がこぼれ出てます。マジでこいつ逮捕した方がよさそうだな」

「待ってぇぇ!李斗!これは違うんだ!あれだ、着替えるときに偶然引っ掛かってさ〜いや、別に興味ないんだけどさ〜」

「なるほど、じゃぁ今すぐ捨ててこれますよね」

「いやいやいやいや!捨てちゃったら持ち主がかわいそうじゃん!持ち主見つかるまで俺が預かっとくよ」

「俺だったらストーカーゴリラの懐に入っていたという時点ですぐにゴミ箱に捨ててほしい感じですね」



 





「んで、お妙の下着かっぱらったのもこいつの仕業だと・・・」

近藤さんはなんとか俺から下着を死守するのに成功し、( 実際は近藤さんの必死さが気持ち悪くて俺がひいただけ)話はもとに戻る。

「あぁ今や江戸中の娘たちが被害にあってる。しかし民衆特にモテない男になまじ人気があるため同心連中もなかなか捕まえるのに苦労してるようだ」

「ケッただの変態のくせにいっぱしの義賊気取りか。気に食わねー気に食わねーぜ


何で俺がモテねーのしってんだァァァァァ!!」

「ああああああパンツぅぅぅ!!」

持っていたパンツを怒りに任せ引きちぎる銀時。近藤さんだけでなく新八までもが無惨に引き裂かれるパンツを見て叫ぶ。

もうこいつらといるのいやになってきた。全員逮捕でいいかな。
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