空色
□第十二章
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火影室から家へと帰宅したゆうき
『…何か用ですか?』
誰もいないはずの部屋に一人語るゆうき
いないはずの部屋に声が響いた
「時期が迫ってきていますよ?ゆうき様」
部屋の陰から、男が現れた
『まさかあなたがこんなにも早く出てくるとは思いませんでした……9代目補佐官 陽』
いつぞやの手紙の人物がそこにいた。
ゆうき様
貴方ももう立派な下忍。
そろそろ覚悟をしてもらいます
木の葉などという弱い里にとどまる必要はありません
貴方はこちら側の人間なのです
あの方を血を継いでいる以上、我らのために…
なお、不振な行動を取れば強制的に連行します
二度目の奇跡などありません
血珀族 第9代目補佐官 陽
「てっきりあの手紙を読んでないと思いましたが、その様子だとお読みになってくださいましたね。私めは大変うれしいでございます」
『…要件を述べてください』
「つれないですね…
要件は一つだけ……
邪魔な廃棄物を早く掃除なさってください」
『……』
「今のあなたなら簡単にできるでしょう?
あの、三代目を殺すことくらい
他愛もないはずだ。何もいつまでもぐずぐずしているのです?情でもわきましたか?あなたの母君を殺したに近い男ですよ?」
『…覚悟とは……そういう意味の覚悟ですか?それとも木の葉の里を離れるという覚悟ですか?』
「すべてですよ」
『そうですか…なら、もうすぐですよ…
あなたの夢も一族の夢も、母の敵も、父のやり残したことも………
もうあの時から私は背負いました』