空色

□第八章
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『…微笑ましい光景ですね』


外へ出ると、たくさんの親がいた


「さすが、俺の子だ!」


わが子をとても誇らしげに褒めている

少し羨ましいです


「ねぇ、あの子…」

「例の子よ。一人だけ落ちたらしいわ!」

「フン!いい気味だわ…」

「あんなのが忍になったら大変よ」


不意に聞こえてきた陰口

それが誰のことをいっているのかはわかります


「だってあの子……」

「しーっ!それより先は禁句よ!!」


禁句…

きっと皆口にしてるだろう

どうして人は憎しみの対象をナルトにしてしまったのでしょう

どこの親も陰口ばかり…

聞いていて虫唾が走ります



『ナルト…』



声をかけようと思い、ナルトを見ればそこにはもういなかった



「ゆうき」

『シカマルではありませんか』



後ろを振り向けばシカマルがいた

その隣にはおそらく父親だろう

シカマルによく似てる



『どうも始めまして、ゆうきといいます』

「俺はシカマルの父親のシカクだ。小さいのにしっかりしてるな」

『いえ、そんなことありませんよ?』

「ところでお前、両親は?」



シカマルに聞かれてしまいました



『今日はこれなかったんです』

「そうか…」

「さびしくないのかい?」

『ちゃんと後で褒めてくれますから』

「……ま、卒業おめでとう」

『シカマルもおめでとうございます』



代わりにシカマルが褒めてくれました



『……』

「なんだよ…」

『い、いえ。とても嬉しいです』

「は?」

『シカマルに褒められて嬉しいです』



私がそういえば、シカマルは照れてしまいました



「めんどくせぇ」




いつものシカマルです
















 
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