空色
□第一話
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『…どうしたものでしょうか』
「先生もちょうど同じことを思っていたところだ」
先生の片手には教科書、ゆうきの片手にはスーパーのチラシ
そして今は授業中
『この二つはゲットしておきたいんですが、この二つのどちらかを手放さなければいけないのです。まさに運命の二択ですね』
「先生はもうお前の話についていけそうにないよ」
『迷うなぁ〜』
ゆうきはこうみえてかなりの問題児である
だが、彼女には絶対的武器があった
「先生はいつも思うよ…
授業さえまともに受ければお前は間違いなくトップなのになぁって…」
そう彼女は実技、筆記テストらはすべて優秀な成績を収めていた
だから、先生達も彼女にはほとんど何も言えないのだ
『やっぱり、こっちを取るべきなのでしょうか?』
「何故なんだ…」
先生達ももはやあきらめモードだ
『ん?』
なんだか向こうのクラスがやかましいですね
『?』
「まぁ、もういい。授業を再開するぞー」
「なんだとぉぉぉおおおお!!」
『「「「「!!??」」」」』
突然の大声に私たちクラスだけではないと思うが、どこかの担任の声が響いた
「まさか!またあいつか!?」
その瞬間、先生は今から自習をしておけと言って教室から出て行ってしまった
その時の先生の目は……
先生の目ではなかった
あの目は化け物を見るような目だった
『そんな物騒な子いましたかね』