ハイキュー

□ガックリしました
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名前が自分から俺の家にきたいなんて言うのは非常に珍しい。
というか多分初めてだ。
俺は男だからそういう風に考えてしまう。
と思ったのだが

「ん…先輩ずるい!!」

「…あぁ」

ここは俺の部屋で、少しばかり広い部屋はパソコンとベッド、勉強机に本棚と簡素なものだ。
そこに響く名前のはしゃぐ声に俺の少し低い声。
二人の手にはコントローラーが握られ目の前にはやたらと目がでかいキャラクターが格闘している。
乙女ゲームの格闘バージョンと言えばわかってもらえるだろうか。


今日発売されたゲーム(初回限定版)をバックに潜ませていた名前は俺の部屋に入った直後、これをやりましょうとパッケージを見せつけてきた。
こちらもやたらと目がでかい少女が槍を持ってはにかんでいる。

「先輩強いですね!!シスカを使いこなすなんて!!」

「シスカ…?あ、このキャラクターのことね…」

という適当にも程がある相槌を打つのみだった。
出された麦茶はぬるく、コップは汗をかいている。

「あぁ!!また負けちゃいましたよ!あ!ボスですボス!!倒したらレベル20もアップですよ!!」

「うん…」

だめだ。まったくもって話ができていない。
すっかり日は暮れ、茜色が射し込んでいた。


《テッテレー!!!!》


と画面から陽気な音が響くのと、俺が名前を押し倒したのとは
さてどちらが早かっただろう?









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