進撃

□きみ攻略マニュアル
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「なぁって」

「……」

「なぁ」

ジャンは名前の後ろを頭を掻きながら付いていく。
何度呼び掛けても名前は振り向こうとしない。
なぜなら

「そんなにクリスタに鼻を伸ばしてるんならずっと眺めてればいいじゃない」

嫉妬、である。
つい先程ジャンはクリスタに話しかけられ、笑って会話していただけだ。
断じて鼻なんか伸ばしていない。
しかし頬は緩んでいたかもしれない。
だがそれにしたって怒り過ぎな気がするのだ。
理由は簡単。
今日の昼は二人で食べようと言い合っていたからだ。
しかしエレンと話をしていたら長引いてしまい、しかもそこにミカサやらクリスタやらが集まって来たのでワヤワヤしてしまった。
そこを見ていた名前が怒っているのだ。

「知らない。ジャンなんて知らない」

「俺の話もちょっとは聞いてくれよ」

「やだ。ノロケ話なんか聞きたくないもの」 

いつの間にやら人気のない場所にきてしまったみたいで回りは薄暗かった。
ジャンは考えた挙げ句、名前の肩を掴んで壁に押し付けた。

「何するのよ!!」

「俺の話も聞けって言ってるだろ」

ジャンは名前の顎を指先で掴み、名前の唇を塞ぐ。

「んん!?っ…!」

舌を絡ませ逃げられないように。
俺の愛をわかってくれるように。

「っはぁ…」

顔を上気させ肩で息をする名前へ愛をささやく。

「俺は名前以外にこんなキスはしない。こういう場所まで来ない。」

耳元で
低く

「だからわかってくれ。俺は名前以外好きじゃない。」

「っ!!」

名前は瞳から涙を溢し、ごめんと謝ってくる。

「ごめん」

「あぁ」

「ホントにッ…ごめん」

「…あぁ」

「ジャンが他の人のところに行っちゃうんじゃないかって!!」

「大丈夫だ。俺は名前以外のところにはいかない」

「ごめん!!」

俺の肩でなく名前の頭を撫でなからヤレヤレと息をつく。
俺の可愛い彼女はキスに弱い。
あとは俺の意思をありのままに伝えることを求めていることとか。
だんだんわかってきた彼女の癖に俺は翻弄されながらもまた新たに書き足すのだ。
名前は嫉妬に弱い、と





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