進撃

□この恋、きみ色
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「それでは、これより立体機動の実技訓練にうつる!!」

教官の声が高らかに響く。
腰に付けられた立体機動がカチャカチャと音を立てる。
名前はレバーを軽く握る。

「では一番最初に名前。貴様にやってもらおう」

教官は名前を一瞥すると遠くにある印のついた木を指差す。
104期の中ではミカサと共に飛び抜けている彼女を皆一様に見つめている。

「わかりました」

名前の凜とした声が皆を静かにさせる。
教官は目標地点にいる1人へ合図を送り、名前に準備をさせる。

「いいか。いかに速いかだけではない。いかに速く正確かを我々は判断する」

「はい」

名前は引き金に指を置き目標を見据える。

「行けッ!!」

教官の声が合図となり名前は走り出す。
パシュッというワイヤーが出る音と名前が地を蹴った音が聞こえた。




「いやぁ〜凄かったですね〜!!」

「そうかな…?」

名前はサシャとご飯を食べているところだった。
その場には勿論ジャンもちゃっかり同席している。
というより男が片側の椅子にぎゅうぎゅうと。

「…なぁライナー。狭いんだが」

「あぁ俺も狭い」

「…どく、という選択肢は?」

「無いな」

「あぁそうかい…」

ジャンの右隣にはライナーが
左隣にはベルトルトが座っていた。

「大丈夫?狭くない?っていうかジャンこっちくる?」

名前はジャンが狭そうにしているのを見て自分の隣の場所をポンポンと叩く。

「い、いや大丈夫だ」

本当は隣に行きたいんだけどな…!!
周りの男共の視線が痛い…

「それにしても名前、どうやったらあんなに速く動けるんですか?」

サシャはもくもくと芋を食べながら名前に聞く。

「うーん…どうやって説明したらいいんだろう…」

名前は指を顎につけ真剣に悩む。
ジャンはサシャに乗じて大胆にもお願いをする。

「お、俺にも教えてくれねぇか?」

「へ…?」

名前はジャンを凝視する。
それから数十秒。

「うん。いいよ!確かに口で言うより見せた方がわかるだろうし」

名前はジャンに笑いかける。
その可愛さにライナーやジャン、ベルトルトもクラリときた。

「えへへ。よろしくねジャン」

ジャンは危うく手に持っていたコップを落としてしまいそうだった。
まずい
だんだん心が染められてく




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