駆逐してやる! 

□残った紙切れ
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「ミケさんが、、、死んだ、、、?」
ドアのノックの音で起きた私に告げられたことだった。
「すいません、、、分隊長を連れて帰ってくることはできませんでした、、、」
目の前に立つ彼は涙を流しながらそう告げている。私だって泣きたい。でも涙が流れない。
「わざわざ教えていただきありがとうございます。皆さんもまだ傷が癒えていないのでしょう?私は大丈夫ですから回復に専念してください」
私が笑って見せると彼はさらに涙を流した。
「はい、、、ありがとうございます、、、!」
彼は涙を堪えてそう言い、家を出ていった。
「、、、あーあ」
いつもより静かに感じる家。広い部屋になにも考えられなくなる。
「、、、なんでかな、、、なんで、なのかな、っ!」
今頃になって瞳に涙がたまっていく。もう立つこともできず膝から崩れ落ちる。ためきれなかった涙が頬を伝い床に染みをつくる。
「っ!〜っ!」
堪えても堪えても流れる涙が頬に筋をつくる。
「っ、、、はぁ、、、」
いくらか落ち着いた私は机に手をおき立ち上がる。
目に入ってきたのは、
「っ!!ミケ、さんっ!!」
ミケさんとお揃いにしたアクセサリー。身体につけてたら無くしてしまうからと窓際に置いていたのだ。
いつでもミケさんを思い出せるようにと。 
「なんでっ!!帰ってきてよ!!ミケさんっ!!」
ボロボロ零れる涙。涙が流れればその数ほど溢れる思い出。
いつも他愛ないことで笑いあって。ご飯だってやっと上手になった。洗濯物も綺麗に畳めるようになった。
ねぇミケさん。朝みたいに私の頭を撫でてよ。抱き締めてよ。「行ってきます」って言って。「ただいま」って言って。

「うわぁぁぁぁぁん!!あぁぁぁん!!ミケ、さんっっ!!」

「愛してる」って抱き締めて。




ずっと泣いて、なにもできなくて。気づいたらすごく時間がたって次の日になっていた。
泣き腫らした目がひどい。誰にも会いたくない。嘘。、、、ミケさんに、会いたい。
「、、、いる?」
ドアがノックされた。出たくなかったので無視をしたら声がしたので私はすぐにドアを開けた。
「ハンジ、、、さん」
「、、、渡したいものがあるんだ」
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