鋼の錬金術師

□激恋ブラック
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「大佐?どこにいらっしゃいますか?」
私は廊下ウロウロと歩きまわる。
青い洋服がチラと見えた気がしてある1室へと入る。
そこは大きな机とソファが置いてあった。
大佐の部屋だ。
「大佐?どうしたのですか?」
ソロソロと中に入り近づくと、机の上で居眠りをする大佐がいた。
窓は開き書類は時折ハラリとめくれ、黒髪はそよそよと揺れている。
いつもの切れ長な目は閉じられ規則的に肩が上がっている。
「ふふ。大佐って寝てると可愛いんだよなー」
「可愛いか?」
「うん。スッゴク可愛い…って、え?」
撫でていた黒髪がゆらりと上がる。
反射的に手を引こうとするが手首を掴まれ固まる。
「やれやれ。寝ているからといって気を抜くな。」
「手、手をお離しください!!」
「嫌だ。といったら?」
悪戯に口の端を歪める大佐が艶やかで、また色気を見つけてしまう。
「こっちに来なさい」
大佐はポンポンと自分の膝を叩く。
「い、嫌です!!」
「ほう。大佐の命令に背くというか?」
「職権乱用はいけないと思います!!」
しかし大佐は私の手を引っ張り膝に座らせる。
大佐の匂いが鼻を擽り、恥ずかしさから顔を外してしまう。
「こっちを見なさい」
「…ズルい」
大佐は耳元で低く囁く。
私がそれに弱いと知って。
近づく唇に私は目を瞑る。
触れるだけのキスに淡く頬が朱に染まる。
「さぁ名前を呼んで…?」
「…ロイ」
静かに名を呼び目を見つめあう。
風に揺れる黒髪がくすぐったくて身を捩れば、腰を掴まれ引き寄せられる。
好きだ 
と告げられる。
大佐としてではなく、ロイ・マスタングとして。
私も好きだ
あぁ 好きが止まらない









fin

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