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□神と人との境目で
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「こんにちは」
「あー!やっほー」
今日は授業が短くなったので、小福さんのところに遊びに来たのだ。
「寒くなぁい?大黒に言って暖かいもの作らせようか?」
「大丈夫です。私こそお邪魔しちゃって、、、。迷惑じゃないですか?」
「うぅん!全然めーわくじゃないよ!むしろ楽しい!」
「ありがとうございます。」
小福さんはニコニコと笑みを浮かべて答える。こたつに身体を丸めて収めているところが猫背になって本当に猫みたいだ。
「すいません夜トって居ますか?」
「あぁ。夜トちゃんなら2階よ」
小福さんはおせんべいを器用にくわえたまま階段を示す。
私は靴を脱ぎ2階に上がる。
「夜トー?来たよー」
カバンから例の物を取り出しながら夜トを探す。
すると案の定惹き付けられた夜トがすぐに顔を見せた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!カピパーだぁぁぁぁぁ」
「ちょっ!落ち着いて!」
「うわぁぁぁぁぁい!!!!!!!!」
例の物とはカピパーのストラップ。王冠を被ったカピパーランド限定のストラップだ。
私はストラップを夜トに渡した。
「夜トカピパー好きでしょ?だからお土産。」
「お土産ってお前、、、カピパーランド行ったのか!?」
「うん。友達と先輩も一緒に」
なにを隠そう私はカピパーランドに行ってきた。しかし夜トもいつもいつも行きたいと行っているからお土産は買ってあげようと思った私なりの配慮だ。
「あれ?来てたの?」
「雪音くん!カピパーランドに行ったお土産だよ」
「ホントに!?ありがとう!」
エプロンをした雪音くんは私のそばまでくると満面の笑みで感謝の意を表した。
か、可愛い!!なんですかその満面の笑みは!!天使ですか!!
「おーい雪音!!」
すると下から大黒さんが雪音くんを呼んだ。雪音くんははーい!と返事をして下へ行ってしまった。
「、、、」
「夜ト?」
夜トと2人になった途端に不機嫌そうになってしまった。カピパーだけじゃ駄目だったのだろうか。
「夜、トっ!!」
大丈夫?と言おうとした唇が押さえられた。
触れるくらいの優しいキス。
「、、、お前このカピパー、、、」
「うん。私と夜トとのお揃い。」
悪いけれど雪音くんには王冠じゃなく魔法使いバージョンのカピパーストラップにした。
頬を朱に染めうつむく夜トが可愛くて私は夜トの頬にキスをした。
「なっ!!お前なぁ!!」
「夜ト好きだよ」
茜色に染まった空が綺麗で。夜トの頬の色に似ている茜色が私と夜トの間に重なった影を写し出した。












fin

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