闇の皇太子
□疲れているときは。
1ページ/2ページ
もう何日寝てないのだろう。ここのところ闇世界で公務をしてはオモテへ行き大学の研究、を繰り返す毎日だった。そんなこんなで忙しい毎日が続きもう4日?5日?くらいは寝ていないだろう。基本式神は何日かは寝ていなくても平気だが、それも5日が限界だ。
「疲れた、、、。」
ついつい声が漏れてしまう。今は大学で研究のレポートをしている。パソコンをカチカチといじりながらもすぐ目がくらくらしてきてしまう。これは、相当やばいかもしれない。
(倒れないうちに帰らないと。)
そうしてすぐレポートをおわし、破と住んでいる家ではなく我が皇子の家に瞬間移動をする。晴明様に今日の報告をしなければならないのだ。そして、我が皇子の家に行くとそこには破がいた。
「華、お疲れ様です。」
「、、、うん。」
破に相槌を打つと晴明様に報告をする。報告を終えると破が近くに来ていたことに気づく。
「晴明様。華なんですけれど、すごく疲れているようなので明日一日休みをもらってもいいでしょうか?」
近くにいたかと思っていたら晴明様にそう話を持ちかける破。
「そうですね、華は明日一日休みなさい。」
「え、でも、晴明様、、。」
「華。」
晴明様に休みを断ろうとしたら、破に肩をぽんっと叩かれてしまう。わかりづらかったがどうやら破は怒っているらしい。それがどうしてなのか考えるけど分からない。考えれば考えようとするほど頭がぐるぐるして、痛くなってくる。僕は自分が思っていたより疲れていたらしい。
「帰りましょう、華。」
歩き出した破に続き僕も付いていく。少し離れたところで我が皇子が晴明様の愛情(意味深)を受けているのが見える。歩き出そうとしたら急に頭がふらっとしてしまったと思ったら、体が倒れていく。
「華、大丈夫ですか?」
倒れた痛さがいつまでたっても来ないと思っていたら、上から声が降ってきた。どうやら破が支えてくれたらしい。
「大丈夫だから。」
そうして破の腕の中から起き上がろうとする。けれどそれは破によってふさがられた。
「破?」
「いいから、大人しくしててください。」
そういわれてしまえば大人しくしているしかない。破はそのまま瞬間移動してオモテの家に着くと、僕をソファに座らせる。
「破?怒ってるの、、、」
「、、、怒ってます。こんなふらふらになるまで華が疲れていたのに気付かなかった自分に。」
「え?」
「華、お腹すいてませんか?今日は食べて寝てしっかり休んでください。」
「ああ、、うん。」
そういうと破は台所へ行き料理を作り始める。
(破は心配してくれてたのか、、、。僕がふらふらなのは破のせいじゃないのに。)
そう考えている間にもおにぎりを作ってきた破が戻ってきて、自分の隣に腰掛ける。
「食べてください。」
「いただきます。」
破が作ったおにぎりを食べる。食べている間も疲れからか眠気が襲ってくる。それでも頑張って食べおわす。
「ごちそうさま、、、。」
ご飯を食べると余計に眠くなってしまう。隣にいる破の肩に自分の頭をのせて寝に入る。
「華、ねるならちゃんとベッドで寝てください。」
「んー、、、。」
曖昧に返事を返すがベッドまで動く気力はない。すると破が僕を抱えてベッドまで運んでくれた。
「ありがとう、、、迷惑かけるねえ。」
「いいえ、ゆっくり休んでください。」
「うん、、、。」
ずんと瞼が重くなっていく。でも、微かに破が離れていこうとしているのが見えた。無意識にも手を伸ばし服の裾を掴んでいたらしい。
「華?」
「、、、破も寝よ、、?」
そう呟くと破は、少し驚きながらもすぐに笑顔になり隣に入ってくる。
「寝てください、華。」
「うん、おやすみ、、、。」
そしてゆっくり眠りにつく。この時の俺はまだ知らない。朝目覚めたとき、なぜか破の腕の中にいたりなぜか服が着替えられていたり風呂にも入れられていたりすることを。