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□ボクとキミ
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仕事の帰り道、隣には愛しい恋人。
繋いだ手は暖かくて、隣にいることを実感する。
たくさんの言葉は知ってるけど、それでも胸に広がるこの気持ちだけはわからない。
いつだか、自分の名前が苦手だと話したことがあったね。そしたら、キミは
「アイって、意味があるんだぜ」
なんて眩しいくらいの笑顔で言ってきたよね。
そのときは、素っ気なかったかもしれないけど、本当は嬉しかった。その笑顔だけで名前が好きになれたよ。
ケンカも沢山してきたね。お互い譲らないから、長引いたことも何度かあったけど。でも、そのあとは今までよりキミのことが好きになった。
キミとの過ごした日々は、全部幸せな思い出。今、この瞬間だって全部大事な思い出。
一緒に一歩ずつ進んであげるよ。
夢が叶うように。それが、ボクの夢でもあるからね。
「ショウ。愛してるよ…」
「んっ…なんだよ…いきなり」
「何ってキスだけど?はい。これあげるよ」
「キスだけど?じゃねぇよ!!人がいたらどうするんだ!って…なんだ…楽譜?」
不思議そうにしているショウに、そうだよ。と肯定してみせた。そしたら、いきなり飛び付かれた。少しバランスを崩したけど、倒れるほどじゃない。ショウの方をみると鼻をすすった音が微かにした。
「何泣いてるの。」
「…泣いてねぇし」
本当にキミは、意地っ張りだ。そんなところも可愛いのだけど。
自分でいうのもあれだが、きっと嬉し泣きというやつだろう。
頭をそっと撫でてやり、落ち着くのを待つ。
だいぶ、落ち着いてきただろうか。
「顔、上げてみせてよ」
そう言えば、渋々顔を上げてくれた。
目が赤いのが泣いた証拠だ。
「ふふっ。ひどい顔」
「笑ってんじゃねーよ」
「どう?嬉しい?」
「…凄く嬉しい…です。」
「合格」
そういって、ボクはもう一度キスをした。
ボクとキミ
もう離れることはできそうにもないかな。
これからも、沢山思い出をつくっていこうね。ショウ。