Purple road―紫色の堕天使達―

□第2話 夏目の恋愛成就作戦
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夜叉との小競り合いから三日が立った。あれからは揉め事がなかったのように穏やかな日々をおくっている。陽次たちはいつものように、クニアキ先輩のところに入り浸っていた。


葛「お前らなァ、暇な度にウチにくるんじゃねーよ!たまにはなんか頼んでくれや、商売してんだからよ!」

金「いいじゃないっすかァ、減るもんじゃねぇし。」

陽「だから必ずコーヒー頼んでるじゃないっすか。」


葛西は参ったように陽次たちに伝える。いくら溜まり場とはいえ立派な喫茶店、葛西も今となっては商売人である。客からそのことで苦情が入る度に葛西はアタマを悩ませていた。


葛「バカヤロウ!テメーらのは頼んでるんじゃなく勝手に飲んでンだ!ウチならいいが外でやりゃ犯罪だ犯罪!」

辰「…いやぁ、良くはないっしょ…」


このメンツだと、いつもツッコミを担当するのが新開である。過去最高に凶悪な麗羅が成り立つのは、無茶をする陽次を冷静にサポートする新開があってこそなのかもしれない。

そんな話も束の間、カランコロンと音を立て、見覚えのある金髪の色男が店に入ってきた。凶のジャンパーを着ているのはお馴染みの事、今日は珍しく首にネックレスを巻いていた。なにより一番不思議なのは、いつになく上機嫌なことである。星の形をかたどった、シルバーネックレス…これに気づかぬ陽次たちではなかった。


金「…夏目ぇ、お前なんだそのネックレス?」

陽「いつになく上機嫌に口笛なんぞ吹きやがって…怪しいぞ、女の臭いがプンプンしやがる。」

藤「…あーあ、色男はこれだもんなぁ…」


いの一番にネックレスを捉えたのは一条兄、続いて探偵を気取っている赤髪は陽次、ウンザリしながら溜め息の藤峰。一条弟と流川に至っては、二人揃ってくわえたタバコをポロリと落とす。ギャグかと思われるような自然な連携は、やがて集中砲火へと変わる。


享「…で、同じガッコーかよ?」

銀「俺らは別に構わねぇけどよ、兄貴たちが…なぁ?」

夏「な、なんだよ?」

金.陽.藤「「「抜け駆けかテメー!ぶっ飛ばす!!」


三人共同様の台詞を吐く。その形相はまさに悪役、貪欲な性欲に支配されし獣たちは、金髪端正な色男に牙を剥く。だが、新開は違った。微笑ましく眺めるなり、やれやれと首を振る。


夏「うるせーなコノヤロー!そんなんじゃねーよ!出会ったばっかだしよ、俺は“ぷらすちっく”なんだよ!!」

新「プラトニックだよ、ナっちゃん…」

葛「おめーは何だ?ガンプラかなんかか?」


永「…あー!俺がラーメン奢りますから!金次先輩も陽次先輩も!おまけで藤峰先輩もやめてくださいよ!アタマァガンガンしますよぉ!!」


夏「(よく言った、若きものよ!)」


第2話 夏目の恋愛成就作戦
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