Purple road―紫色の堕天使達―

□第11話 京狂連
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「死ねオラァ!」

「いっ、腕がぁ!!!」


凶の一人が、日本刀で相手の腕を落とす。断末魔が夜の国道に響き渡り、それによって凶の勢いは増すこととなった。


「す、すげえ……これが凶ってチームかよ…!まるで本職みてえだ。」

我「腕落とす、頭カチ割る、傷口えぐる……残酷さじゃピカイチじゃねえか、噂よりやべぇ。」


凶の残忍性を前に、我妻が怖じ気づいた時だった。返り血を浴びた夏目が現れる。ギラついた目を標的に定めるその様は、いつもの二枚目とは程遠かった。

懐からドスを取り出すと、ゆっくりとそれを抜いて我妻に向ける。


夏「調子くれやがって……ブッ殺してやる……」

我「ちっ、狂犬野郎が……」


対峙したその時だった。サイレンの音が鳴り響く。蜘蛛の子を散らしたように京狂連が逃げていくなか、夏目は未だにドスを納めずにいた。


我「よォ、おめえパクられっちまうぜ?いいんかよ?」

夏「てめぇ殺してムショ入る、上等だよ。上等すぎて笑っちまうぜ。」

我「けっ、本物の狂犬野郎だな……そうかぁ、上等なら仕方ねえなァ。せっかく逃がしてやろうと思ったのによォ?」


我妻はそう話すと自ら夏目に近寄る。その次の瞬間だった。


夏「て……めぇ!?」

我「ほら……望み通りの鑑別所だ……いてぇ!いてぇよ!足が、足がァ!!」


おもむろに近寄ったかと思えば、なんと我妻は夏目の手をとり、自らの太ももにドスを突き刺したのだ。唖然としたのも束の間、夏目の耳元でささやくなり大声で悲鳴をあげる。警察が気づき、大勢で夏目を取り囲む。


「傷害容疑、少年確保!」

夏「てめぇ…我妻ァ……我妻ァァァァァァァァ!!」


我妻との距離が離れていく。


夏「離せ、離せコラァァァァ!」


不敵に笑う我妻の顔が憎たらしい。


我「カンカンで往生しなァ、夏目弘人……キヒヒッ。」


気が狂いそうだ。


夏「我妻ァァァァァァァァァァ!」


深夜未明、暴走族同士の抗争勃発。その抗争は、死傷者が出るほどに肥大化。

S連合Kグループリーダー、N少年ら検挙。このニュースが流れるのは、抗争翌日のことだった。


死闘から一日たった夕方、その情報は早速西連幹部会で話題になっていた。


藤「真田、あれから連絡は?」

新「まだなんとも。けど昨日のなっちゃん検挙といい、京狂連が裏で糸ひいてるに違いないね。」

流「当然、礼を返しにいくんだよなァ?」


藤嶺が口火をきると、瞬く間にそれぞれが言葉を返す。陽次は腕を組み、じっと何かに耐えるように黙るのみ。業を煮やしたかのように、一条兄弟が尋ねた。


金「黙ってねえでなんとか言えよ……!」

銀「仲間やられて下向けってのか?俺ァそんなもんゴメンだぜ。」
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