Purple road―紫色の堕天使達―

□第1話 一色陽次と申します!
4ページ/5ページ

一人は金髪パンチ、もう一人は短めの銀髪コールドリーゼントの長ラン二人組。鞄には《喧嘩上等●狂死蝶》といったステッカーを張り付けている。

永「い、一条先輩・・・」


一条兄弟、兄は金髪パンチで弟は銀髪コールドリーゼントというワル丸出しの兄弟。西湘連合の門番的役割を果たしている。


金「なにビビくってんだよ永ちゃんよォ?」

銀「あいかぁらず可愛いげのあるやっちゃのう?」

陽「オメーら永次をやたらとイジメるなよ?忘れんナ、永次は麗羅(ウチ)の遊撃隊長だ。」

金「んなこたぁわかってらぁよ。なんつうの?・・・弟分として磨きがいがあるんだよ。」


一条兄弟はやたらと永次の面倒を見ている。休日はボンタンを見に行ったり単車で走ったりと可愛がっている節がある。これこそが、長年続いてきた麗羅と狂死蝶の対立を終結した理由なのかもしれない。


辰「・・・金ちゃん、その傷なんだ?」

金「ああ、実はよ・・・」

銀「“夜叉”とか言う新興チームの馬鹿共が喧嘩を売りに来てよ。兄貴一人で暴れやがったんだ。そん時にな?」


喧嘩のキズだと解ると、みんな苦笑いを浮かべる。すると外からエライ剣幕で、とある男が帰ってきた。紫のトサカが特徴的な男が。


陽「・・・流川、まさか誰か狩られたンじゃねーわな?」

享「なんで知ってる・・?他ン奴等も狩られたんか?」


流川享、紫トサカの色男。冷静沈着にして冷酷無慈悲な影法師の三代目である。そんな彼が血相を変えて飛び込んで来るということは、よほど大変な騒ぎなのであろう。楽天家である陽次も、流石に顔色が真面目になってきた。


金「俺ンとこにも来た。夜叉だべ?」

享「その傷・・・へっ、やっぱしテメーらにも?」


◆◆◆


?「ちっ、こいつはクールじゃねぇな・・・」

?「ウチの女子を拐おうとしてやがってよ・・一匹ぶっ潰したら逃げ出すんだもんよ」


どう見ても劣勢である二人組、一人は蛇腹の学ラン、一人は白ラン。暴霊の藤嶺と凶の夏目である。二人は連合でも指折りの実力者で、特に夏目は中性的な顔に似合わない喧嘩の腕を持っている。そんな夏目が頭から血を流し、肩で息をしているのには理由があった。


夏「思い返すだけでドタマに来るぜ、5分前の油断をよ・・・!」 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ