Purple road―紫色の堕天使達―

□第1話 一色陽次と申します!
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鬼「ガハハハハ!俺から逃げようっていうのがムリだったんだ。オマエらにしては頑張ったほうだけどな!」


場所は生活指導室、そこにはアタマにタンコブを作った三人のワルガキが正座をさせられていた。3馬鹿である。結果は明らかで、鬼山の執念勝ちである。彼らは冷や汗をタラタラと流していた。


鬼「まあ、オマエらを見とると昔を思い出すよ。いつの時代もオマエらみたいなワルガキは居るもんだ。元気があるのは結構!だが授業くらいマトモに受けなきゃいかんぞ?そうじゃなければ、路頭に迷って最期は刺されて終わりだぞ?」

辰「ひ、悲惨っすよ・・」

陽「ひでぇやっちゃなぁ、そんな最悪な未来を暗示することねぇべよ!」


口ではこう言うものの、鬼山にはやたらと世話になっている。家出を行い帰るに帰れないとき、暴走行為で警察から追われているとき、鬼山はなにも言わずに匿ってくれるだけでなく飯まで振る舞ったという。そこが鬼山の優しさである。自分の立場を省みずに、自分たちのようなワルに親身になってくれる暖かさを、3人は感じていた。


鬼「特に真田、お前はまだ1年だろう?うるせーと思うかもしれないが、言われるうちが華ということを忘れるな。・・・ったく、オマエらは出来の悪い息子みたいだよ。」

永「み、耳が痛いお言葉・・」

陽「けどよ、鬼山・・・なんで俺らにそこまで?」

辰「教頭から睨まれてるンすよね?」


鬼山は教頭と対立しているのは学校中に広まっている。すると鬼山は平然と言ってのけたのだ。


鬼「あんなクソハゲ眼鏡に従えるか。生徒に格差を設け、クズだなんだと抜かしやがる。オマエらの可能性も知らぬマヌケだよ・・・さあ放課後だ。テメーら終礼近くまで逃げやがって、仕事の邪魔だから早く帰りやがれ!」


◆◆◆


ところ変わって、とある喫茶店。陽次たち西湘連合の溜まり場である。陽次たちはオールバックの穏やかな男性と話をしていた。


?「へぇ、あいかぁらずだな鬼山も。っかし、テメーら揃うと大体は鬼ごっこだもんな。」

陽「クニアキ先輩、そりゃあんまりっすよ!」

辰「にしても、まだ“メンバー”が来てねぇんだな?」


葛西邦章、陽次たち麗羅の二代目総統を務めていた。穏やかな男であるが、現役時代は血の気が多く、連合に入っていない西湘以外の族に対して検問を張り、バチバチにシメあげていたそうな・・・

閑話休題。

そんな話をしていると、2気筒の甲高い音が聞こえてきた。やがて2台は店の前で止まる。“カラン”と音を鳴らして2人は入ってきた。


?「3馬鹿ァ、早ぇじゃねぇか!」

?「押忍!クニアキ先輩、お疲れ様です!」
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