Purple road―紫色の堕天使達―

□第1話 一色陽次と申します!
2ページ/5ページ

?「(へぇ、災難だったな陽ちゃん。)」

陽「(ったくよー、あいつだって立派なソリ入れてンだぜ?ソリかっこいいっつって誉めたのによ。)」

?「(陽ちゃん、ありゃーソリっつうよりハゲが進んでるだけだよ・・・)」


校庭側の窓から苦笑いを浮かべてカンペで陽次に話かけるこの男、名前を新開辰也と言う。麗羅の副長を務めており、温厚な雰囲気とは裏腹に喧嘩となると鬼のように強い。


陽「(そーいやぁオメーのCBX、“カブ”っちまって速度出ねぇとか言ってたな?あれどうなったよ?)」

辰「(プラグ換えたり、いろいろしてやっとこさだよ。年期モンだからなぁ・・・中坊ン時におろしてもらって、ずーっとコキつかっちまってたから・・・)」


陽次も単車を組み上げられる程メカに強いが、辰也は別格である。麗羅において、単車のメンテナンスは彼が行うほどである。副長兼チーフメカニックといったところだろうか。そんな話をしていると、同じく校庭側の窓からとある男が現れる。そこには見覚えのある大切な後輩が立っていた。


?「(センパイ、陽次センパイ・・・!)」

辰「おっ、真田ちゃん・・・」

陽「(なんだオメー、勉強しろ少年)」


真田永次、麗羅の特攻隊長である。一年にして特攻隊をこなす実力者である。やはり授業などツマラナイらしく、脱走を謀り、こうして陽次の元に来たのだ。しかし、こんなに集まれば流石にバレてしまい・・・


?「コラ!!3馬鹿が揃いも揃ってなにしてやがる!授業受けなきゃダメだっつってんべ!?」

永「ひぃぃ!!」

辰「出たァ!鬼山ァァ!!!」


山本和巳、通称“鬼山”。捕まれば厄介な体育教師である。なんやかんや陽次たち3馬鹿を面倒見てくれる、良き教師である。


「先生!陽次くんが窓から脱走しましたァ!!」

教師「ほっとけほっとけ、あいつらいつものことだ・・;」


鬼「待て3馬鹿ァ!」

辰「やだやだ!あんた痛いことするんだべ!?」

陽「バカヤロー!永次てめぇ、速く走りやがれ!!」

永「あ、脚がすくんじまって逃げれねぇんすよォォ!!」


猛ダッシュで逃走を謀る3馬鹿、それを凄い速さで追いかける鬼山。いつしか授業をほったらかして、それぞれの応援をはじめる。西湘高校の名物である。

「陽次くん!逃げ切ってぇ!!」

「先生にかけてンだ!捕まえてくれよなぁ!」


陽「あいつら楽しみやがって!」

辰「つうか陽ちゃん、フツーに授業受けてたんだから逃げなくてよかったんじゃねーの!?」

陽「そこは…なんか楽しそうだったしヨ?」

永「話してる場合じゃねーっすよ!鬼山ァ!テメー教師だべ!賭け事放置していいンかよ!?」

鬼「ガハハハハっ!標的はオメーら3馬鹿だァ!」


徐々に距離が縮まる。3馬鹿の逃げ切りか、鬼山の執念か、笑顔で差を縮めてくる鬼山、結果は如何に!?
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ