Purple road―紫色の堕天使達―
□第21話 麗羅二代目回想録[前編]
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とある昼下がりのとある墓地、そこには黒いスーツをビシッと決めた男が佇んでいた。
男は墓前で両手をあわせ、花を添えると自前のジッポライターで線香に火をいれる。
葛「久しぶりだな、"美雪"…」
葛西である。今日は店も臨時休暇とし、大事な用事を済ますべく墓に来ていた。葛西はとある名前をつぶやき、懐かしむような目を向けた。
葛「お前がアッチに逝っちまってから、もう3年だぜ?早ぇよな。現役退いてから結構経つのに、未だに血が騒ぐんだ。」
葛西はタバコをくわえながら静かに話す。その表情はなんともいえぬ悲しげな顔。
葛「なあ、なんでお前は……先に逝っちまったんだよ?」
第21話 麗羅二代目回想録[前編]