Purple road―紫色の堕天使達―
□第18話 中坊日記3
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「おーい、アキラくん!」
藤「ういっす。どうした慌てて?」
市立湘北中学校…藤嶺アキラの出身中学。不良の数はそこそこだが、悪名は高くない普通の中学。そんな中学の教室で、女を侍らかせながら応対する男がいた。
「西中の奴らが、女とられたってアキラくんの事探してんだよ!ヤバいよ、だからやめとけってあれ程!」
話から察するに、藤嶺が他の中学の女を寝とったという痴情の縺れが原因なようだ。一瞬真顔になるも、すぐにまた侍らせた女子に笑いかけながらアキラは答えた。
藤「俺に寝取られちまう、アイツらが間抜けなんだよ。なぁ?」
「やだー!アキラくんったら浮気してたの?」
「でもそこが大人な感じがしていいのよねー!」
藤「ばーか、違うよ。俺に惚れちまう奴らが多いだけさ。」
侍らせた女子と会話を楽しんでいたが、そんな楽しみを奪う物騒な罵声が空気を一変させた。
「出てこい包茎野郎!女とりやがってよー!」
藤「やれやれうるせえなァ……またね可愛こちゃんたち、ちょっと運動してくるわ。」
呆れたように席を立つと、懐にしまった3段警棒をチラリと見る。確かな感触を実感し、相手のもとへ向かったのだった。
第18話 中坊日記3