Purple road―紫色の堕天使達―
□第15話 子連れ金狼
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それは、とある昼下がりのことだった。学校終わりに駐輪場に訪れた金次は、思わぬ客に出会う。
金「……?」
自分の愛車に乗せられている、小さい男の子。金次はキョトンとしながら、それを見る。捨て子にしては無理があるし、迷子かなにかだと思いつつ、気さくに話しかける金次がいた。
金「ボウズ、どうしたァ?兄ちゃんの単車が気に入ったか?」
?「うん!すごい綺麗だし、かっけぇ!」
金次の問いかけにニッコリと笑って答える子供に、金次にしては珍しく穏やかに頷いた。
金「お前、センスが分かってるじゃねえか。何歳だ?」
?「5歳!」
金「ほう……で、ママはどうした?」
?「買い物いった。」
会話の中で出てきた事実に、金次は確信したように頭を抱える。男の子はキョトンとしたままハンドルをいじっている。
金(捨て子だァァ……絶対捨て子だ!どこの親がこんな不良校に置き去りにするんだよ!)
認めたくない現実を受け入れようとするが、なかなか受け入れられない。アタマの中が真っ白になる金次であった。
第15話 子連れ金狼