Purple road―紫色の堕天使達―
□第14話 西湘バイトウォーズ
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夏「全く参ったぜ。ムショ入るなり、あいつら容赦なく体調べるんだぜ?凶器なんざ我妻に向けたドスしか無ぇのによ?」
保釈され、夏目は真っ先に溜まり場に来ていた。その日は流川と藤嶺、そして陽次…最後に喫茶店のマスターである葛西がいた。
捕まっていた時の話を笑いに変えて、夏目が陽気に話している。
陽「だから日頃から言ってんべ?あまりドスとか持ち歩くなって。」
夏「バカたれ、何があるかわかんねえからこそのドスだろうが。それ言ったら銀次だって持ち歩いてんだろ?」
流「あいつはもう見るからに持ってて当たり前だから。警察に問い詰められたら、あいつ苦し紛れにドス振り回して強引に見逃してもらった過去を持つような男だぜ?」
陽「それで見逃しちまう警察も、よっぽどのパー太郎だよなァ…」
藤「バカだなぁ、お前の股ぐらにあぶねぇ凶器もってんだろうが。何人の女泣かせたんだか、その“ゴジラ”で…って、悪かった悪かった!殴るんじゃねぇよ!」
言い逃れをする夏目に、流川は呆れたように銀次の過去を話す。さすがの陽次も、それについては珍しくマトモな意見を話した。藤嶺に至っては容赦のはない下ネタを言ったことにより、夏目に小突かれている。
そんな話をして笑いあっていたが、藤嶺が急に帰り支度を始めた事により、その目は藤嶺に向けられる。
夏「なんだァ?帰るのかよ?」
藤「おう、これからバイトだし。」
葛「知らなかったんか、藤嶺バイト始めて三ヶ月だぜ?お前らも金くらいもってねえと恥ずかしいよ〜。」
葛西の冷静な説明に、開いた口が塞がらない一向であった。
第14話 西湘バイトウォーズ