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□第五話 やっぱ布団は京都西川
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あと30分で閉店時間だがさっきの彼は寝過ごすつもりなのだろうかと考えつつ鈴が最後に向かったのは食料品売り場
『食材はともかく、調味料揃えないとなー…塩コショウ、ケチャップ、ソース、味噌、あとは…』
目当てのコーナーへ行くと、またも見知った顔があった
『ふぁっ土方さんじゃん!生でみると超イケメンですなぁ〜………あり?』
近寄ると土方はカートにおびただしい量ののマヨネーズを入れて、棚にあった最後の一つを手にとり器用そうに後ろの説明書きを睨んでいた
『いまさら気にしても遅いでしょ』
「ん?何か言ったか」
『おっと、独り言ですぅ〜
あの、それもお買いになります?一つ譲っていただけると嬉しいんですが…一つでいいんです!』
土方は手に持っていたマヨネーズを名残惜しそうに見つめた後小さく頷いてこちらを向いた
「あぁ、別に構わねえよ。マヨネーズ好きには親切にするのが俺のモットーだからな、ほら」
親指をグッとこちらに向けると手に持っていたマヨネーズを渡してくれた
『別に取り分けマヨネーズ好きってわけでもないんですけど、ありがとうございます』
「謙遜することじゃねぇさマヨラーに悪いヤツはいないんだからよ、な?」
『だからマヨラーでもねぇってばよ』
〜♪〜♪〜♪
『「あ」』
店内に蛍の光(お前らいい加減閉店時間だから空気読んで帰れよの曲)が流れ出した
『それじゃ失礼しますね
マヨネーズありがとうございました』
「おぅ、お互いマヨネーズライフを楽しもうぜ」
『だからちげぇっつってんだろ』
『あ、真選組の方ですよね?
布団売り場で同じ隊服の人が寝てたんで起こしにいってあげてください、では』
「総悟の野郎どこ行ったかと思ったら…」
鈴はすぐにレジを済ませると土方が刀を抜きながら布団コーナーへ向かったのを見届けてから急いでアパートに帰ったのだった