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□第三話 漫画って便利!!
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銀時の声を聞いて鈴は走っていた
『ヤベェエエエエエエエエ!!
聞いたか私!!アレ銀さんだよ紛れもない銀さんだよぉおおお
無理無理顔合わせとかまだムリィイイイャッホォオオオオ!!』
『あれぇ?なんかめっちゃ足速くね私!!おお!身体が軽いような気もする!!私は風!風になるキャハァアアア!!!』
土煙を巻き上げながら走っていても全然疲れない身体にテンションMAXな鈴は
隣の軽トラを追い越した時に流石にスピード違反かもと思い空き地に入って気を静めることにした
『ふぅーびっくりしたー
私どうしたんだろうホントに銀魂の世界に来ちゃったのか?あれは新八と神楽ちゃんで間違いなかったし、街並みもそれっぽいし…』
そこまで考えた所で鈴は気づいた
『ヤベ、学校行かねば…』
トリップとか銀魂とか考えている場合ではなかった
『っべぇよまじべぇ
無断欠席とか親に殺されるわ、とにかく電話しないと…』
pppp.....prrrrr...prrrrr...
ーーおかけになった番号は、現在つかわれていないか、電波の届かないところにあるためかかりませんーー
『あれ?学校の番号登録しといたんだけど間違ってたかな…?まずいな、
てか…………ここどこよ』
『…え?
これガチ?
ガチもん?夢じゃナッシング?』
『え、ヤバいどうしよめっちゃ不安なんだけどマジでマジで泣きそうナニコレ怖い怖い』
冷静に考えて現状が分かってくると、とても楽観的ではいられなかった。
これが本当だとするといろいろと考えなければならない。
1人でこんな…知っているとはいえ自分を知る者が1人としていない世界に来てしまったと考えると不安でないわけがなかった
『なんでこんなことに…やっぱあのジジイのせいか?無駄に絡んできてたし変なこと言ってたし…
うわ、無性に腹立ってきた』
鈴はメソメソするのが嫌いな質であった
泣いたってこの状況をどうにかできるのではない。だったら臨機応変に対応していくしかないのだ
『よし、あのジジイ今度あったらなぶり殺す!』
『さて!ここが銀魂の世界だとすると…?さっき足がめっちゃ速くなってたのもトリップが関係してんのか?便利だな!すっげぇ!』
『あ、そうだ』
漫画を読んでいていつも思っていたことがある
空き地の隅に冷蔵庫や廃車が不法投棄されているのを見つけた鈴は近寄り、思いっきり腕を振りかぶってそれを殴った
ドシャァアアア!!……カラン…
冷蔵庫はメッコリと凹み、ドアがぶっ壊れて外れた
『おぉ…流石漫画の世界…楽しい…!』
ガッシャアァ!ドスッ!ガリガリッ!ボンっザシッ…
手当たり次第に物を壊しまくっているとなんだか気分が晴れていく気がした
『ひゃあ!こりゃ面白いわ!めっちゃ砕ける(笑)』
「ちょっとぉおおお!そこの人ぉおお!何器物損壊しまくってんのぉお!!?」
『おお!お巡りさん!?ヤバいんです!私すげくないスか?ほらほら見てこれ!』ゴスッドスッ
「危ないから!止めなさいコラァ!こっちは不審者が暴れてるって通報受けてんの!逮捕しちゃうぞ!ってか君血まみれじゃん!マジ逮捕しちゃうぞ!!!」
『えぇ!まだ鼻血ネタ引きずってたの!!違うよお巡りさんよぉ!これはアレだよ!誤解だよおおおおお!!』
「あっ!待ちなさい!君ぃいい!!!」