銀高

□初恋愛
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便器の前に立ち用を足す高杉。

と、そこへガチャと誰かが入って来たが、気にせず続け−−−−−−たかった。


「よっと…」

「…………」

「………………(チラッ」


入って来たのは銀八だった。
それはまぁいい、ただ高杉のブツを用を足しながらガン見をしてくるのだ。


「……お前ってさ、意外に小さくないんだな。デカくもねぇけど…ぐぁっはぁあっっ!!??」

「…………」


思いっきり銀八を殴り飛ばした高杉。

そして、何もなかったかのようにファスナーを上げ倒れ込む銀八を見下ろす。


「ちょっとォォォオオ!ズボンに飛び散ったらどーしてくれんだよォォオオオ!?」

「………銀八…」


飛んでないよね?とか言いながら焦る銀八に妙に落ち着いた高杉の声がかかる。


「銀八…お前、ホモなの、か?」

「ぃ…いやいやいやいやっ!これは違うんだって!!男同士でもしない!?こういう話!ホモとか関係なしに!!しない!?」

「あー…する、かも、しんねぇけど……じゃあ、サイコパスか?」

「はぁあ!?なんでホモからサイコパスになんの!?ほんとに俺をなんだと思ってんだよ、お前!初対面の時からさぁ!!」

「……変質者…?」

「教師ですぅぅう!!てか、マジでヤバイみたいな顔しないでくんない!!??」

「でもよ……いや、その前に早くしまえや…」


マジで青ざめた顔をする高杉に必死に弁解する。

が、ブツをしまうのを忘れていた為、さらに高杉は銀八から身を引いていく。


「ほんと、違うから…違う、くない……?」

「…別に差別はしねぇが、いきなりはダメだろ…」

「いやだから!そういうつもりで言ったんじゃねぇんだってェッ!!」

「わかった、わかった」


沖田と神威の言葉を思い出し、自分から思い切り引いといて面倒臭くなってきた高杉。

もうどうでもよくなったみたいだ。


「ったく…思い切り引くんだからよ……(ブツブツ」

「だってよ、沖田と神威が……」


高杉の言葉を横切るように予鈴が鳴る。


「もう終わりか…高杉、おめーも授業出ろよ」

「っ、」


ポンと高杉の頭に手を乗せる。


「6限目は俺の授業だからよ」

「っ、!?」


そのままわしゃわしゃと撫でられる。

他人に頭を撫でられることが初めてな高杉は内心戸惑った。


「……気が向いたらな…//」

「ん…?おう、待ってっから」


ニカッと笑って鼻歌を歌いながら立ち去っていく銀八。

その後ろ姿を見ながら、高杉の心にはモヤッとしたものが広がっていった。




モヤッとがわからない。

これがなんなのか、いつものように沖田や神威に聞こうかと思ったが、なんだか聞かない方がいい気がしたし、言われることはわかってる。

ここ数日、もんもんとそればかり考えていた。


(俺は…銀八に恋?、してるのか……?)


スマホで恋とは、と検索をしてみる。


1,いつもその人のことを考えている?

いつも…まぁそうかな。

2,その人に会うとドキドキしますか?

頭を撫でられて以来、ドキドキはしねぇけどドキッとはする。

3,その人に触れられたい?

……ちょっとだけ、もっかい頭撫でてほしい、なんて…

4,いつもその人の傍に居たい?

………………。


検索結果から適当なサイトを開くとその4つの質問があった為、なんとなくだがやってみた。

3までは答えれた(しかも当てはまってた)が、4つ目の質問に躓く。


(傍に居たい…?いつも……?傍に………)「っつ!?」

「ぅおっ!?」


考え込んでいたから前を見ていなかった高杉は角から曲がってきた人影とぶつかってしまった。

チッと舌打ちをしながら相手を見ると、なんというタイミングだろうか銀八だった。


「てめぇか…」

「高杉…なに?考え事ですかー?」

「っ、おい」


驚きと焦りで嫌な表情をした高杉に銀八は嫌がらせのようにベタベタとくっつき高杉のスマホを覗き込もうとする。
というか、高杉の腕を掴んで無理矢理覗き込んだ。


「いつもその人のことを考えてる?ドキドキする?触れられたい?傍に居たいぃぃ?」

「み、見てんじゃねぇぇえっ!!」

「ぐぼはぁあっ!?」


羞恥よりも怒りが上回り銀八の顔面に拳を振り下ろした。


「てめっ、勝手に人のスマホん中を…しかもっ///」

「や、ごへんっへ…ほんあはいおうほは、おほあなふへ…」
『いや、ごめんって…そんな内容とは、思わなくて…』


吹き出す鼻血を必死に止めつつ高杉にまた弁解をする銀八。


「腐れ天パ…死ね……//」

「ひおぃ…」『ひどい…』


高杉はトイレに銀八を置いたまま急いで駆けて行った。
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