銀高
□黒猫保護
3ページ/5ページ
ゴソゴソ…モゾモゾ…
『?』
夜中、専用の座布団で眠っていると何かが動く音がし、寝ぼけ眼で周りを見渡すと晋助にと主人が新しく買った俺たち用(猫用)のクッションが蠢いている。
一瞬ビビったが、よく見たら晋助が足をバタつかせている。
でも、液状の餌なんか食ってるくらいで力も出ないのだろう、動きは小さく弱々しい。
『晋助…?』
よく耳を澄ますと、これまた弱々しい唸り声も聞こえる。
起き上がって伸びをしてから、そっと物音を立てねぇように晋助に近づく。
…やっぱり何か唸っている。
『…むぃ……さむぃ…』
『寒いのか…?』
寒いけど力がないから動けないんだろう。
だから、寝言までいいながらも足を動かして寒さを凌ごうとしてんのか…
『ほんと…細ぇ体……』
一度自分の体を振るわせる。
それだけでこのクルクル天パは増量するかのように広がる。
そんでもって、そっと晋助に近付いて側で横になる。
ゆっくりと体を寄せて密着させる。
毛からじんわりと晋助の体温が伝わってくる。
けど、体はかなり冷えてる。
足をまだバタつかせているから、落ち着かせるように毛ずくろいをしてやるとだんだんと大人しくなっていった。
『ん…っ』
落ち着いたかと思ったら晋助が目を覚ましてしまった。
俺の姿を見た途端怯えた表情になったが、俺のことを認識できたのか安心した表情になった。
*〜*