銀高

□trick or treat
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早朝、きっと今日という日を何だかわかっていないであろう幼馴染み兼恋人の家の前で鞄の中を探る俺。

あ、あったあった。

どこぞの100円均一で買ったホームパーティか何かのグッズである吸血鬼の牙を取り出す。
それを歯に装着してインターホンを押した。

ピーンポーン

「しーんちゃーんっ」

呼び鈴が鳴り終わると同時に、呼び鈴と同じリズムで可愛くて愛しいあいつの名前を呼ぶ。

が、返答がない。

ピーンポーン

「しーんちゃーん、愛しの銀時君が迎えに来ましたよー…っっっ!!?」

2回目の呼び鈴が鳴り終わってドアの真ん前でそわそわしていると、突如そのドアが開いた。
突然のことに避けることができずに俺の顔面に、主に鼻を直撃した。

「は、鼻っ…銀さんの鼻がっ」

「…………」

ボタボタと鼻血を流す俺をすこぶる機嫌が悪い目で見つめるドアを開いた本人、俺の恋人の晋助。
きっと寝起きなんだろう、目が半分しか開いていない。
それに…パジャマ代わりにしているであろう少し緩いTシャツにハーフパンツ、しかも可愛い可愛い小さな寝癖がぴょこんと跳ねている。

「……朝っぱらからなんの用だ…」

ボソボソと搾り出すように言う晋助。

「なんの用だってか、もう学校行く時間だぜ?」

とりあえず、鼻に商店街で配ってたポケットティッシュを詰め込んで平常心を取り戻す。
……まだ鼻がヒリヒリするけど

「……今日、サボる。もっかい寝る」

「ままま待ってっ!じゃあ俺もサボる!晋ちゃんと一緒にサボるぅぅうっ!!」

「っ……」

「ぶべらっ!?」

閉められそうになったドアを無理矢理こじ開けながら晋助の家に上がろうとすると、煩かったのか顔面をぶん殴られた。

「……頭イテェ…」

額を押さえる晋助。

あぁ、そうだ。晋ちゃん、貧血だったね。
今日は貧血が最高潮だから、そんなに機嫌が悪いんだね。

「す、すんません…」

玄関先で正座をして謝ると、許してくれたのか舌打ちしながらリビングに行ってしまった。
靴を脱いで晋助の後を追う。
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